自律神経失調症column

Update:2023.10.15

自律神経失調症とは

自律神経失調症は、自律神経系の調節が乱れる状態を指し。ストレス、遺伝、環境の影響で発症します。心拍数や血圧の変動、消化不良、めまい、疲労感などが起こり、診断は症状や排除診断によって行われます。治療にはライフスタイル改善、ストレス管理、運動が含まれ、症状が重い場合には薬物療法が行われます。

自律神経失調症

目次

自律神経失調症について解説

自律神経失調症は、自律神経系が適切に機能しないために生じる症状群です。これにより、頭痛、めまい、吐き気、胸の痛み、息切れ、不安、冷え性など、さまざまな身体的および精神的な不調が引き起こされることがあります。ストレス、不規則な生活、過度の労働、睡眠不足などが要因となることが多いです。ライフスタイルの改善、リラクゼーション、適切な睡眠、運動が重要で、場合によっては医療的な相談も必要です。

肩こりがひどく、頭がズキズキ痛い」「歩くとフラフラする」「夜、なかなか寝つけない」「全身がだるくて何もする気がしない」これらは、どれも自律神経失調症の代表的な症状です。 ストレス社会といわれる昨今、このようなつらい症状に悩まされる人が非常に増えています。 ところが、自律神経失調症は、病院で検査を受けても身体的な異常がみつからない病気です。 そのため、「どこも悪いところはありません。あまり気にしないで……」などといわれるだけで、適切な治療を受けられないケースも少なからずあるようです。 患者さんにしてみれば、原因がわからないだけに、なおさら不安になってしまいます。 また、周囲の人に理解してもらえないつらさもあって、気分が落ち込んだり、症状がますます悪化するという悪循環に陥りがちです。

これらの症状は、決して「気のせい」で起こるものでもなければ、「気のもちよう」で治るものでもありません。] 自律神経失調症を克服するためには、まず、症状を引き起こしている根本的な原因-ストレスや不規則な生活習慣などに、ご自身が気づくことがとても大切です。 そして、その要因を取り除く、あるいは上手にコントロールする方法を身につけることです。 頭痛、肩こり、倦怠感、胃の不調などのつらい自覚症状があるのに、病院での検査結果はいつも異常なし。 そんな人は、自律神経の乱れを疑ってみてください。

自律神経とは?

生命を保つために必要な機能の微調整を自動的に行っている自律神経は人間が自分の意思で動かしたり止めたりできない部分の動きをコントロールしています。 脳と脊髄にある神経細胞のネットワークは「中枢神経」、もしくは「セントラルーナーバスシステム」と呼ばれています。 一方、脳・脊髄から出て、全身の各部位をつないでいるのが「末梢神経」です。自律神経は、この末梢神経システムに属しています。 末梢神経は脳以外の場所にあり、体の各部位と直接コンタクトしています。その働きにより「体性神経」と「自律神経」に分かれます。

体性神経は、自分の意思で体を動かすための神経で、「感覚神経」と「運動神経」があります。
感覚神経は、物をみたり聞いたり、熱さ・冷たさなどの情報を脳に送っている神経です。
運動神経は、体の各部位を動かすために、脳からの指令を伝えています。一方、自分の意思とは無関係に臓器や器官の微調整をしているのが自律神経です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがありますが、体性神経の場合とは異なり、同じ器官に対して反対の作用を行うことで全体のバランスをとっています。

自律神経は臓器や器官の働きのうち、自分の意思で止めたり速めたりできない部分の微調整を自動的に行っています。 たとえば、私たちは自分の意思で口を開けたり目を閉じたりできますが、心臓の鼓動を速めたり遅くしたりすることはできません。 一方、驚いたりスポーツをしたあとなどは、自然に鼓動が速くなります。これが、自律神経の働きです。 また、睡眠中はムダなエネルギーを消費しないよう基礎代謝が下がります。このとき、脳は血圧を下げ、心拍を少なくする指令を出しますが、翌朝目覚めればまた心拍が上がります。 このように、生命を維持しながら体が必要な休息をとれるよう、自動的に微調整を行っているのが自律神経です。

自律神経は心の動きに反応する

自律神経の中枢である視床下部は、動物が生きていくうえで必要な本能的な行動、生理的な快・不快などの感情をつかさどっている大脳辺縁系の影響を強く受けています。 さらに大脳辺縁系は、理性や理論的な考え方で判断する大脳新皮質による支配を受けています。 つまり、私たちは理性と本能という、相反する2つの感情のバランスをとりながら毎日暮らしているといえます。 しかし、何か本能的な喜怒哀楽にかかわるできごとが起こったときに、理性が強く働いて感情を抑制してしまうと、大脳新皮質と大脳辺縁系の間にひずみが生まれて、情報がうまく伝わらなくなります。

その結果、たとえば「つらい」「泣きたい」「食べたい」などの感情が不自然に処理されて伝わるため、視床下部は自律神経をうまくコントロールできなくなり、やがて自律神経失調症が起こります。 交感神経は驚いたり不愉快な感情に反応して機能を開始しますが、通常は驚きや不快感がなくなると副交感神経が働いて安定した状態に戻ります。 ところが長期にわたってストレスが続くと、交感神経はずっと興奮した状態のままになってしまい、副交感神経との切り替えがうまくいきません。 そのため視床下部の管理機能がうまく働かなくなり、自律神経のバランスが乱れていくと考えられています。

自律神経失調症になりやすい人

発症にはその人の体質や性格、ものの考え方、とらえ方などが影響します。 「近親者に同じ症状の人がいる」「ストレスを感じやすい」など、自分自身や周囲を見渡してみましよう。自律神経失調症は、さまざまなストレスや不規則・不健康な生活習慣が積み重なって起こります。しかし、同じような環境やストレスにさらされ、似たような生活習慣で暮らしていても、自律神経失調症になる人とならない人がいます。 これは、一人ひとりのもって生まれた体質、性格、ものの考え方などが発症に影響しているためです。

ここで誤解しないでいただきたいのですが、自律神経失調症になったからといって、「性格が悪い」とか「精神力が弱い」ということでは決してありません。 風邪をひく、ひかないに個人差があるように、ストレスに対する抵抗力は人によって違います。 また、生まれつきの体質や性格も、適切なトレーニングを行うことで、ストレスに強く自律神経失調症になりにくいタイプに変えていくことが可能です。

自律神経失調症の患者さんの中には、両親や兄弟などの近親者に同じような症状を抱えている人がいるケースが少なくありません。 自律神経失調症それ自体が遺伝することはありませんが、自律神経の調整能力の低い体質を親がもっていた場合に、その体質が子どもに受け継がれることがあります。 体質的に自律神経の調整力が弱いと、多くの人にとっては何でもないようなことが原因で自律神経のバランスが乱れ、症状が出てしまうのです。 このような体質をもっている人は、東洋医学的にみると、乳児期から虚弱体質で、いくら食べても太らない、下痢しやすい、冷え症などの傾向があります。

自律神経失調症になりやすい人の性格や考え方の特徴として、「クヨクヨ考えすぎる≒人の目や評価が気になる≒気持ちの切り替え方がへた」などがあげられます。 性格や考え方は、本人が自分で思っているものと、その奥にひそむ本質的なものが違うことが多々あるのでやっかいです。 ストレスを受けているという自覚のないまま、自分の気づかないところで継続的に無理をしてストレスをため込んでいるケースもあります。 自律神経はこの本質の性格にも敏感に反応し、バランスをくずすと考えられています。

うつ病や神経症が隠れていることもある

うつ病や神経症(ノイローゼ)の中には、倦怠感や食欲不振などの身体症状を伴うものもあります。 自律神経失調症が、最終的にこれらの精神疾患と診断されることもあります。 ひそんでいることがある発症に心のトラブルがかかわっていることから、自律神経失調症はうつ病や神経症などの精神障害の一部だと勘違いしている人が多いようです。

また、うつ病や神経症の中には、全身の倦怠感、めまいなど、検査で疾患名の診断ができない身体症状を伴うことがあり、病院が適切な診断をしないケースも少なくありません。 うつ病は、憂うつ感や興味の減退、焦燥などの精神症状とともに食欲低下、頭痛、疲労感などの身体症状も多く現れる病気です。 また、近年では身体症状のほうが強く現れる「仮面うつ病」も増えてきています。

一方、神経症には、漠然とした不安にとらわれる「不安神経症」、1日に何度も手を洗わないと気がすまないといった「強迫神経症」、自分は重病だと思い込む「心気神経症」などがあります。 また、身体のさまざまな症状が繰り返し現れたり、その身体症状にこだわり続ける「身体表現性障害」というのも、神経症の一つといえます。 これは、身体症状が主体です。自律神経失調症と判断されたものの一部は、これらの精神疾患であることが明らかになることも多いのです。

自律神経失調症の体の症状

頭痛、偏頭痛、頭重感、筋緊張性頭痛、脱毛、頭の痛み方や痛みの度合い、痛む場所などはさまざまですが、側頭部がズキズキと痛かったり後頭部のあたりが締め付けられるような痛みを感じることが多いです。 後頭部や頭全体が重く圧迫感を感じることもあります。
疲れ目、まぶたのけいれん、ドライアイ、なみだ目、目が開かない眼精疲労の症状が出たり、目がしょぼしょぼする、まぶたの上が重くなったり鈍い痛みを感じたりします。 まぶたのけいれんは自律神経失調症の代表的な症状です。ドライアイといって、いつもと変わりない生活をしているのに、目が乾いたり痛みを感じたりします。
耳鳴り、耳の閉塞感。耳の中で「ざー」というような雑音と感じる耳鳴り音が続いたり、突然聞こえてくることもあります。 耳に何かが詰まっているような閉塞感があります。また、平衡感覚の狂いとしてめまいが挙げられます。
のど
異物感、圧迫感、イガイガ感、のどの詰まり特に食事をするときなどに、のどに異物感を感じることがあります。 風邪をひいたときのように、のどの奥がイガイガします。
口の渇き、口の中の痛み、味覚障害、唾液が異常に出る。口の中が常に乾いていてのどがからからの状態です。 水分を摂っても解消されません。食べ物の味がわからなくなります。また味の種類が違って感じます。
循環器系
動悸、胸の圧迫感、めまい、たちくらみ、全身ののぼせ・冷え・ほてり・しびれ、息切れ、呼吸困難、息苦しさ、手足のほてり・冷え・しびれ、体のふらつき、大量の発汗、寒気、高血圧、低血圧、血圧の変動、不整脈、胸の痛み自律神経失調症になると血液の流れが悪くなるため、室温や気温かに関わらず突然暑くなったり、逆に手足が冷えたりするのが特徴です。
呼吸器
驚いたり緊張したわけでもない、運動もしていないときに急に呼吸が苦しくなることもあります。
消化器系
慢性胃炎、神経性胃炎、過敏性腸症候群、下腹部の張り、食欲低下、食欲過食、不振、拒食、食道のつかえ、異物感、吐き気、胃の不快感、便秘、下痢、ガスがたまる、胃の不調が起こります。また過敏性腸症候群といって下痢と便秘を繰り返す症状も見られます。
皮膚
皮膚の乾燥・かゆみ、多汗、汗が出ない、冷や汗、わけもなく大量の汗が出たり、緊張していないのに冷や汗をかく、逆に暑いのに全然汗をかかないという症状がでます。また緊張していないのに掌や足の裏に汗をかくのも自律神経失調症の特徴です。
泌尿器
頻尿、尿が出にくい、残尿感がある、水分を摂っていないのに頻繁にトイレに行きたくなったり、逆に尿が出なくなったりします。
生殖器
インポテンツ、早漏、射精不能、生理不順、外陰部のかゆみ。
首・肩・背中
首・肩・背中のこりや痛み、張りがある、ただのこりに加え、痛みを感じるほどの張りやこりがしょうじることもあります。
筋肉・関節
筋肉・関節の痛み、関節のだるさ、力が入らない、運動をしたわけではないのに痛みやだるさがあったり、時には歩けなくなるほどひどく痛むこともあります。
手足
手や足の痛み、足のふらつき、大量の汗をかく、自律神経失調症になると血液の流れが悪くなるのでしびれや痛みが発生します。
全身
疲れやすい、微熱、倦怠感、疲労感、力が入らない、不眠、大量の発汗や冷や汗、震え、倦怠感や疲労感などは自律神経失調症の症状の中でもっとも多い症状といってよいでしょう。とても疲れやすく、全身に力が入らないこともあります。眠りが浅くすぐに目が覚めたり、寝付けない、起床時の疲労感などの症状もあります。また、乗り物酔いをしやすくなります。

このように自律神経失調症の体の症状は、まさに全身に及びます。 自律神経は全身の器官をコントロールしていますので、バランスが崩れてしまうと全身の機能に支障をきたしてしまい、体中にさまざまな症状が出るのです。
症状の程度も人によってさまざまで、同じ人でも日によって症状が重かったり軽かったりします。 そのため、「気のせい」と見過ごしがちになることが多いのも事実です。病院で検査をしても異常がないことが多いため、医師に軽く見られがちになることもあります。

自律神経失調症の心の症状

      感情的怒りっぽくなる・すぐに悲しくなる・情緒が不安定になる・変にハイテンションになる。不安感原因は分からないがとにかく不安になる・恐怖心に襲われる・人間不信になる・

    あり得ないことをずっと考えている。ネガティブ思考何かと悲観的になる・落ち込むとなかなか治らない・ささいなことが気になる。無気力やる気が出ない・何もしたくない・そんな自分に自己嫌悪になる。集中力の低下集中できない・記憶力が低下する・物忘れがひどい。

このように自律神経失調症の心の症状は、かなりの数になります。 これらの症状の程度も人によって様々で、同じ人でも日によって症状が悪かったり良かったりするため、「気のせい」と思われることもあります。
このような心の症状では、病院で検査をしても異常がないことが多いのが現状です。

自分で出来る自律神経失調症の対策

人間にはもともと、日中は自律神経のうち心身を活動的にする交感神経が活発になるように出来ています。 そして、夜には心身をリラックスさせる働きのある副交感神経が活発になる仕組みがあります。
この人間本来のリズムに反した生活習慣を送ることで、自律神経が乱れてしまうのです。
それが自律神経失調症のはじまりなのです。
ですから、夜はぐっすりと眠れるように、仕事などのことは考えず早めに寝床に入るようにしてださい。 現代人は慢性的な睡眠不足になっている方が多いです。そのため、睡眠を多くするだけでも自律神経失調症の対策としてはかなり有効になります。 そして、自律神経失調症を食べ物で対策を行うとすると、地のもの・旬のもの・新鮮なものを食べることが重要です。
現代では輸入ものの食べ物・ハウス栽培や遺伝子組み換えなどで季節が外れた食べ物・添加物の入った加工食品や保存料がたくさん入った食べ物が多いです。 これらの食品も栄養素の問題で、自律神経に大きな負担をかけています。 また、刺激というのはストレスになります。自律神経失調症の方は、カフェインやトウガラシ、塩辛いものなどの刺激物は口にしない方がいいでしょう。

自律神経失調症の治療方法

自律神経失調症の治療は、心と体の両面からアプローチすることが大切です。また食事や睡眠、運動などの生活習慣に問題がある場合は、医師の指導のもとに改善する必要もあります。 これを「全人的治療」といいますが、心療内科で行われるのが、まさにこの全人的治療です。 身体面からの治療は、不快な症状を取り除くための「薬物療法」が中心になります。 自律神経の働きをととのえる薬や、抑うつ状態や不安、不眠を解消する薬などが用いられます。

一方、精神面からの治療は、患者さんの不安や緊張をやわらげたり、ストレス耐性を高めたりする「心理療法」が行われます。 心理療法には、簡易精神療法や自律訓練法、認知行動療法、交流分析など、さまざまな療法があります。 また、このほかに指圧やマッサージ、温熱療法などの理学療法や、音楽療法などもあります。 これら多くの治療法の中から、その人の状態や性格などを考慮し、さらに、目指す治療の方向性(つらい症状さえとれればよいのか、根本的な治療を望むのかなど)についての患者さんの希望も取り入れて、もっとも適切な療法を組み合わせていきます。

自律神経失調症 心理療法

心理療法とは、薬物を用いず、自律神経失調症の背後にひそんでいる心理面の問題に目を向け、ストレスを取り除いていく治療法です。 再発を防止するためにも重要な治療法といえます。 自律神経失調症には、不安感や悩み、人間関係などのトラブル、病気に対する恐怖心など、心理的な問題がかかわっていることがよくあります。

心理療法とは、医師と患者さんが力を合わせて、そこにある不安や緊張を解消していくことで心の重荷を取り去り、さらにストレス耐性を高めたり、心のバランスをよくしていく治療法です。 心理療法という大きなくくりの中には、約40もの種類があるといわれています。 多くの療法のうちどの方法を用いるかは、ケースバイケースです。 症状や心理的・社会的要因の程度、患者さん本人の性格やライフスタイルなどを考慮して、最適なものが選ばれます。
大切なことは、どの療法を受けるにせよ、患者さんと医師の間に強い信頼関係があるかということです。 病気を少しでも早く治すために、この点をしっかり理解しておきましょう。

自律神経失調症 認知行動療法

ものごとの受けとめ方、考え方などを「認知」といいます。認知は一人ひとりの生き方を左右し、個性の基盤となっています。 もしこの認知に”ゆがみ”があると、誤った判断をしてしまったり、現実の状況に適応できなくなってしまい、やがて自律神経失調症が引き起こされてしまうことがあります。 実際、自律神経失調症の誘因となる不安や葛藤の背景には認知のゆがみがあるケースが少なくないのです。 認知行動療法は、「刺激を受けたときの認知に問題があると、体や行動面に悪影響を及ぼす」という考えが基本になっています。そこで、

  1. 認知のゆがみにつながったきっかけを明らかにする。
  2. 認知のゆがみを患者さん自身に気づいてもらう。
  3. 柔軟性をもった考え方に変えていく。 という手順で症状の改善を図り、現実社会に適応できる心と体を取り戻していきます。

たとえば、電車内で突然、動悸やめまい、息苦しさなどを感じ、激しい不安や恐怖におそわれた場合。 気分が悪くなったのは「電車に乗ったためだ」と思い込み、「私は電車に乗ると気分が悪くなる」「また発作が起きたら対処できない」と考え、電車に乗れなくなってしまう人がいます。 これはパニック障害と呼ばれる、自律神経失調症に関連した病気です。 体の変調を発作が起きたときの状況や場所に結びつけてしまい、その状況や場所そのものが不安の対象になったケースです。 この場合、医師は次のような段取りで治療を進めていきます。

  1. 始めに面接や心理テストを行って、認知のゆがみを把握する。
  2. 本当に電車に乗ったことに問題があるのか、疲れがたまっていたとか、自分では気づかず体調をくずしていたことはないかなど、いろいろな可能性を患者さん自身が考えられるように話し合う。
  3. 患者さんの理解と承諾を得て、始めは一駅だけ電車に乗ってもらい、問題が起こらないことを確認しながら徐々に距離を延ばし、電車に乗ったことそのものが変調の原因ではないことを、実体験として確認してもらう。

このほか、客観的に自分をみつめるために症状の現れ方を記録したり、日々の考え方について日記を付けてもらうこともあります。 これらの治療を積み重ねて認知のゆがみを修正し、考え方の選択肢を増やして、心理的に余裕をもった生活ができるようにしていくことが、目標となっています。 認知行動療法の特徴は、最初に思考パターンや、心・体に現れる症状、行動、強いストレスを受けた状況を明らかにしてから治療に入るので、症状が改善されていく様子が、患者さん自身にもはっきりわかる点にあります。 前述のパニック障害の患者さんの場合なら、「昨日は一駅分乗れた、今日は二駅分乗れた」というように、改善の度合いがはっきりとわかり、「電車に乗ったからといって、必ず起きるものではない」ことを、実感することができるわけです。

自律神経失調症 薬物治療

自律神経失調症の治療は、まず薬によってつらい症状をやわらげることから始まります。医師と十分に話し合い、薬を用いる理由や効果、副作用などをよく理解しましよう。 症状を緩和させる自律神経失調症の治療では、ほとんどのケースで、まず最初に薬を用いた治療、いわゆる薬物療法が行われます。 この病気を自覚するのは、イライラやめまい、頭痛や動悸、不眠、食欲不振など心身に現れるさまざまな症状によってですが、これらの自覚症状を放っておくと、それを気に病むことで、さらに症状を悪化させるという悪循環に陥りがちです。 薬物療法は、つらい症状を緩和させると同時に、このような悪い流れを断ち切るためにも必要な治療法なのです。

患者さんの中には、「副作用があるから薬を飲むのはイヤ」と、薬物療法をためらう人もいます。 確かにどれほど優れた薬でも、何らかの副作用は必ずあるものです。 しかし、自律神経失調症の治療で用いられる薬の副作用は、眠気や便秘など、あらかじめ知っておけば大きな問題とはならないものがほとんどです。 医師は、副作用を最小限にとどめ、効果(主作用)を最大限に発揮させるために、種類や組み合わせ、量、使い方を考えて処方しています。 疑問があれば質問し、納得したうえで薬を服用するようにしましょう。 その際、必ず医師の指示どおりに服用することが大切で、勝手に量や回数を減らしたりしてはいけません。 副作用を必要以上に心配したり、あるいは勝手に薬の飲み方を変えてしまうことが、病気を長引かせたり、悪化させることにもつながるのです。 医師は患者さん一人ひとりの病歴を聞き、症状や体質、薬の特性を十分に考慮したうえで薬を選んで用いています。 なお、服用後の体の変化などは、必ず医師に報告するようにしましょう。その様子を聞きながら、医師は薬を調整します。

抗不安薬」は、「弱力精神安定剤(マイナートランキライザー)」とも呼ばれています。精神安定剤と聞くと、「怖いもの」とか「強い薬」というイメージがあるかもしれませんが、自律神経失調症の治療では、ごく一般的に使われている薬です。 ですから、ことさらに警戒する必要はありません。 この種の薬は、喜怒哀楽などの感情や本能的欲求をつかさどっている大脳辺縁系の一部分に作用して、不安をやわらげ、筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせる効果があります。そのため、症状にこだわりすぎたり、強いストレスが原因になっているタイプの自律神経失調症には、主要な薬として使用されています。 抗不安薬には、作用の強いものや弱いもの、作用の持続時間が長いものや短いものなど、いろいろなタイプがあり、個々の症状によって使い分けられます。 抗不安薬の副作用として、眠気、ふらつき、脱力感が現れることがあります。これらの状態は、緊張や疲労感が緩和されてきたために起こるものです。 薬の効果が現れてきた証拠でもありますから、心配する必要はありません。このほかに、便秘が起こる場合もあります。ひどい場合には、医師に相談して便秘薬を処方してもらいましょう。 注意したいのは、重症のぜんそくなどの呼吸器系の疾患や、心臓病、肝臓病、腎臓系の病気をもっている人の一部です。 発作を誘発したり病状が悪化する可能性がありますから、事前に医師に伝えておきましょう。 また、妊娠中の女性も注意が必要です。 胎児の発育に影響が出る可能性が高いとされていますから、妊娠中や治療期間内に妊娠する可能性のある人は、必ず医師に報告してください。

「自律神経調整薬」は、体質的に自律神経が乱れやすい人や、症状が軽い場合に用いられる薬です。 自律神経の中枢である視床下部に働きかけ、交感神経と副交感神経のバランスを調整します。 効き方がおだやかで、副作用は眠気を誘う程度です。肩こりや冷え症などの場合と、頭痛やめまい、立ちくらみなどでは、使われる薬が違います。 「自律神経末梢作用薬」は、自律神経の末端部分に働きかけ、特定の場所に現れた症状を改善するために使われます。 自律神経末梢作用薬には、3種類があります。頻脈や不整脈、動悸など循環器に症状が現れるときには、交感神経の興奮をしずめる「ベーターアドレナリン受容体遮断薬(βブロッカー)」が用いられます。 腹痛や下痢、吐き気、頻尿などの症状に対しては「副交感神経遮断薬」が使われます。また、低血圧や立ちくらみがあるケースでは、「交感神経興奮薬」が効果があるとされています。

自律神経失調症 漢方薬治療

頭痛

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):気温の高さに反応して起こる頭痛
  • 呉茱萸湯(ごしゅゆとう):冷え症に加え、吐き気を伴う頭痛
  • 五苓散(ごれいさん):雨や湿度の高さに関連して生じ、痛みより頭重感主体の頭痛
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):月経周期に関連して生じ、肩こりを伴う頭痛
  • 釣藤散(ちょうとうさん):イライラして強迫的傾向のある人の頭痛
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):過敏性腸症候群やストレス性胃炎を伴う場合の頭痛

胸痛・胸部の締め付け感(心気症的で女性に多い)

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):月経や更年期に伴う胸痛・胸部の締め付け感
  • 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):動悸が主体の胸痛・胸部の締め付け感
  • 半夏厚朴湯(のどが詰まる感じの胸痛・胸部の締め付け感

腹痛・腹部膨満感・下痢・便秘

  • 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):神経質なタイプの人で、腹痛や下痢便秘交代がある場合
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):胃痛や頭痛を伴う腹痛・腹部膨満感・下痢・便秘
  • 人参湯(にんじんとう):冷え症で冬に下痢しやすい場合
  • 大建中湯(だいけんちゅうとう):冷え症でお腹が張り、便秘気味の場合

関節痛(関節変形が少ないもの)

  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):胃腸が弱く、冷えやすい体質の人で関節痛の場合
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):月経周期や更年期によって生じるこわばり、指の場合
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):頭痛や胃痛などを伴う関節痛
  • 麻杏遵甘湯(まきょうよくかんとう):痛みが強い関節痛(体質が弱い人は禁忌)

のぼせ・ほてり

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):暑がりの人で夏季や高気温時にのぼせ・ほてり
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):更年期・胸部症状・不安を伴うのぼせ・ほてり
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう):便秘・神経症状を伴うのぼせ・ほてり

めまい・むくみ

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):色白かつ低血圧の人で月経に関連して生じるめまい・むくみ
  • 五苓散(ごれいさん):雨や湿気に関連して生じるむくみの場合
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいと動悸を併発する場合

動悸

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):不安・緊張・神経過敏が強い場合の動悸
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいと動悸を併発する場合
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):月経や更年期に関連して起こる動悸
  • 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう):パニックに至ったり、不安で泣いてしまったりする人の動悸

発汗・冷え

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):社交不安障害のように緊張すると発汗する場合
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):めまい・頭重感・月経の不調を伴う冷え
  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):胃腸が弱い人で、冷えると関節が痛くなる場合
  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):冷えが主症状でしもやけが多い場合

慢性疲労

  • 基本は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):胃はそれほど弱くはないが、貧血気味でめまいがする場合
  • 人参養栄湯(にんじんようえいとう):身体の疲労に肺の弱さを伴う場合
  • 加味帰脾湯(かみきひとう):不安や不眠があり、体が疲れやすい場合

 

自律神経失調症の症状 

自律神経失調症の症状は多岐にわたり、個人差が大きいことが特徴的です。自律神経は体の様々な機能を調節しているため、それが乱れると多くの身体的、精神的な症状が引き起こされることがあります。以下は、自律神経失調症でよく見られる症状の一部です。

身体的な症状:

  1. 動悸: 心拍数が速くなることがあります。
  2. 息切れ: 呼吸が浅くなったり、頻繁になったりします。
  3. 消化不良: 胃の不快感、胃もたれ、食欲不振など。
  4. 便秘または下痢: 腸の動きが乱れ、便秘や下痢が交互に起こることがあります。
  5. 頭痛: 特に偏頭痛や緊張型頭痛が多く見られます。
  6. 冷え性: 手足の冷えや全身の冷えを感じることがあります。
  7. めまい: 立ちくらみやめまいが起こることがあります。
  8. 疲れやすさ: 体力が低下し、日常の活動で疲れやすくなることがある。
  9. 多汗: 理由もなく汗をかくことがあります。
  10. 性機能の低下: 女性では生理不順、男性では勃起不全など。

精神的な症状:

  1. 不安: 無意識の不安や緊張感が増します。
  2. イライラ: 小さなことにもイライラしやすくなります。
  3. 抑うつ: 気分が沈んで憂鬱な状態になることがあります。
  4. 集中力低下: 集中力が散漫になり、物事に対して注意が払いにくくなります。
  5. 睡眠障害: 睡眠の質が低下し、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりします。

これらの症状は個人差が大きく、すべての人に一様ではありません。また、これらの症状は他の健康問題とも重なるため、自律神経失調症であると断定するのは難しいことがあります。自律神経失調症は、特定の検査で確定的に診断されるものではなく、他の疾患を除外しながら総合的に診断されることが多いです。

自律神経失調症が起こるメカニズム

自律神経失調症が起こるメカニズムは、多くの要因が絡み合っており、個人差も大きいため一概には言えませんが、主要な要因として自律神経系のバランスの乱れが挙げられます。自律神経系は、体の内部環境を一定に保つために、多くの身体機能を調節しています。具体的には、心拍数、呼吸、消化、血圧などが自律神経系によってコントロールされています。

自律神経系は大きく分けて交感神経と副交感神経の2つの部分からなります。

  • 交感神経: 「戦うか逃げるか」の反応を司り、体を活性化させる役割があります。ストレスの状況では、交感神経が優勢になり、心拍数の上昇、血圧の上昇、消化活動の抑制などが生じます。
  • 副交感神経: 体をリラックスさせ、回復させる役割があります。安静時には副交感神経が優勢となり、心拍数の低下、消化の活性化などが生じます。

自律神経失調症が起こる主なメカニズム:

  1. ストレス: 長期的なストレスや過度の緊張は、自律神経のバランスを崩す原因となります。特に交感神経が過剰になり、体が常に緊張状態にあると、多くの症状が生じます。
  2. 生活習慣: 不規則な生活、運動不足、偏った食事、睡眠不足など、生活習慣が乱れると、自律神経系の調節機能にも悪影響を及ぼします。
  3. ホルモンバランス: ホルモンのバランスが乱れると、自律神経系の機能も影響を受けます。例えば、甲状腺ホルモンの異常や更年期のホルモン変化が関与することがあります。
  4. 精神的要因: 抑うつ症状や不安障害などの精神的な要因も、自律神経系に影響を及ぼし、そのバランスを崩すことがあります。精神的なストレスが長期間続くと、自律神経系が過敏になり、さまざまな身体的症状を引き起こすことがある。
  5. 物理的要因: 長時間の同じ姿勢や、体の一部に過度な負担をかけることが、自律神経系に影響を及ぼすことがあります。たとえば、長時間のデスクワークは肩こりや頭痛を引き起こし、これが自律神経系に悪影響を及ぼすことがある。
  6. 遺伝: 遺伝的な要因も自律神経失調症のリスクを高める可能性がある。家族に自律神経失調症の人がいる場合、そのリスクは高くなることが考えられます。
  7. これらの要因が複雑に絡み合い、自律神経系のバランスを乱すことで、自律神経失調症が発生します。この状態が長引くと、体の様々な機能に影響を及ぼし、前述のような多くの症状を引き起こすことがあります。

自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療は、原因や症状の種類と重症度によって異なります。また、自律神経失調症は一つの明確な原因がなく、複数の要因が関与しているため、多角的なアプローチが必要です。以下は、自律神経失調症の一般的な治療方法です。

  1. 生活習慣の改善:
    • 睡眠: 良質な睡眠をとることが重要です。就寝時間と起床時間を一定に保ち、寝室を快適な環境にするなどが有効です。
    • 食生活: バランスの良い食事を心がけ、カフェインやアルコールなど刺激物の摂取を控えることが望ましい。
    • 運動: 適度な運動は自律神経を整えるのに有効です。ただし、激しい運動は避け、散歩など軽い運動から始めると良いです。
  2. ストレス管理とリラクゼーション:
    • 深呼吸や瞑想: 深呼吸、瞑想、ヨガなどは副交感神経を刺激し、リラックスさせる効果があります。
    • 趣味や娯楽: 趣味を楽しむ、友人と過ごすなど、ストレスを和らげる活動を積極的に行うと良いです。
  3. カウンセリングや心理療法:
    • 認知行動療法: 症状と向き合いながら、考え方や行動パターンを変えることを目的とした心理療法です。
    • カウンセリング: 専門家と話すことで、自分自身の感情や考えを整理し、問題解決の手助けをしてもらいます。
  4. 薬物療法:
    • 症状によっては、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などが処方されることがあります。これらは症状を緩和するために使用されますが、医師の指示に従って適切に使用する必要があります。
  5. 代替療法や補完療法:マッサージやアロマセラピー: マッサージは筋肉の緊張を和らげ、リラックスさせる効果があります。アロマセラピーでは、特定の香りが心地よさを感じさせ、精神的なリラクゼーションを促します。
  6. 漢方薬: 一部の人々は漢方薬を用いて自律神経失調症の症状を緩和すると報告しています。ただし、漢方薬を使用する前に、医師と相談することが重要です。
  7. 生体フィードバック: 生体フィードバック療法では、患者は自分の生理的な情報(心拍数、筋肉の緊張など)をリアルタイムで視覚的に確認しながら、それをコントロールする方法を学びます。これにより、自律神経系のバランスを改善することができます。
  8. 教育とサポート: 自律神経失調症に関する知識を深め、どのように対処すべきかを理解することは非常に重要です。また、家族や友人からのサポートも回復には不可欠です。

注意点として、自律神経失調症は、症状や原因が多様であるため、何が効果的かは個人によって異なります。それゆえ、治療には時間がかかることがあり、複数のアプローチを組み合わせる必要があるかもしれません。

また、何らかの治療法を試す前やサプリメントを摂取する前には、必ず医師と相談し、指導を仰ぐようにしましょう。これは、不適切な治療やサプリメントが逆に症状を悪化させる可能性があるためです。

自律神経失調症に効果のある食事と栄養素について

自律神経失調症の症状を緩和するためには、健康的な食事とバランスの取れた栄養摂取が重要です。以下に、自律神経失調症に効果があるとされる食事と栄養素をいくつかご紹介します。

  1. 食物繊維: 食物繊維は腸内環境を改善し、便通を促進します。野菜、果物、全粒穀物、レギュラーヨーグルトなど、食物繊維の多い食品を摂ることがおすすめです。
  2. ビタミンB群: ビタミンB群は神経機能の正常化に重要な役割を果たします。ナッツ、穀類、豆類、魚、レバーなどが豊富なビタミンB群を含んだ食品です。
  3. マグネシウム: マグネシウムは神経や筋肉の正常な機能に関与し、ストレスの軽減にも役立ちます。ホウレンソウ、ナッツ、種子、魚、豆類、バナナなどがマグネシウムを含んでいます。
  4. オメガ-3脂肪酸: オメガ-3脂肪酸は炎症を抑制し、神経の健康をサポートします。青魚(サーモン、マグロ、サバ)、亜麻仁油、チアシードなどがオメガ-3脂肪酸の良い供給源です。
  5. プロバイオティクス: 腸内環境を改善するために、プロバイオティクス(善玉菌)を摂取することが効果的です。ヨーグルト、ケフィア、醸造食品などがプロバイオティクスを含んでいます。
  6. 抗酸化物質: 抗酸化物質は細胞のダメージを抑制し、炎症を軽減する働きがあります。ビタミンCを多く含む柑橘類、ビタミンEを多く含むナッツ、緑黄色野菜などが抗酸化物質の良い供給源です。

注意点として、個人の体質やアレルギー、特定の食品への感受性によって、効果が異なる場合があります。以下の点に留意して、自律神経失調症に効果のある食事を実践しましょう。

  1. 個別の摂取量と頻度: 適切な栄養バランスを保つために、各栄養素の適切な摂取量と頻度を考慮して食事を計画しましょう。
  2. バランスと多様性: 食事の中でバランスの取れた組み合わせを意識し、多様性のある食材を取り入れることで、必要な栄養素を幅広く摂取できます。
  3. 個別のアレルギーや食品不耐症への注意: 自分自身が特定の食品アレルギーや食品不耐症を持っている場合は、それらを避けるようにしましょう。
  4. 個々の体験と感じ方: 自律神経失調症は個人によって症状や反応が異なるため、食事の効果も個人によって異なる可能性があります。自身の体験や感じ方を大切にし、自分に合った食事を見つけることが重要です。

自律神経失調症に関する食事のアドバイスを受ける際は、栄養士や医師と相談することをおすすめします。彼らは個別の状況や健康状態に基づいて、最適な食事プランを提案してくれます。また、食事だけでなく、生活習慣全体の改善やストレス管理も同様に重要です。

自律神経失調症の時の日常生活上の注意事項

自律神経失調症の症状を緩和するために、日常生活上で以下の注意事項に留意することが重要です。ただし、個人の状況や症状の重さに応じて、適切なアプローチを選択する必要があります。

  1. ストレス管理: ストレスは自律神経に大きな影響を与えるため、ストレスを軽減する方法を見つけることが重要です。以下の方法が効果的です。
    • リラクゼーション法や瞑想、深呼吸法を習得する。
    • ヨガやタイチ、ストレッチングなどの軽度の運動を取り入れる。
    • 趣味やリラックスする活動に時間を割く。
  2. 睡眠の質とリズムの確保: 良質な睡眠を確保し、規則的な睡眠リズムを保つことが重要です。
    • 睡眠環境を整え、快適な寝具を使用する。
    • 寝る前にリラックスするためのルーティンを作り、電子機器の使用を避ける。
    • 昼寝や長時間の昼間の寝不足を避ける。
  3. 健康的な食事と水分摂取: バランスの取れた食事と適切な水分摂取は、自律神経の正常な機能に必要です。
    • 食事には食物繊維やビタミン、ミネラルをバランスよく含むことを心掛ける。
    • 適度な水分摂取を行い、脱水症状を防ぐ。
  4. 適度な運動:
    • 過度な運動や激しい運動は避け、自分の体調や限界を考慮する。
    • 適度な運動は自律神経のバランスを整えるために役立ちます。有酸素運動や軽度の運動を毎日行う。
  5. ストレスを減らす環境づくり: 心地よい環境を整えることで、ストレスを軽減することができます。
    • リラックスできるスペースを作り、ゆっくりとくつろげる時間を設ける。
    • 必要な場合は、職場や生活環境の改善を検討し、ストレス要因を減らす努力をする。
  6. 予測可能なスケジュールの作成: 予測可能な日程やスケジュールを立てることで、不安やストレスを軽減することができます。
    • 日常生活の予定を事前に計画し、余裕を持ったスケジュールを作成する。
    • 無理な予定や急な変更を避け、予測可能性を高める。
  7. 身体のケア: 自律神経失調症の症状を軽減するために、身体のケアに注意を払うことが重要です。
    • 良い姿勢を保つことやストレッチ、緩和効果のあるマッサージを取り入れる。
    • 長時間の同じ姿勢を続けないようにし、適度な休憩を挟む。
  8. 自己ケアとリラックス法の習得: 自己ケアとリラックス法を取り入れることで、緊張や不安を軽減することができます。
    • 興味を持つ趣味や活動に取り組む。
    • 深呼吸、瞑想、ヨガ、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション法などのリラックス法を学ぶ。
  9. サポートシステムの活用: 自律神経失調症を理解してサポートしてくれる人々を探し、支えを受けることが大切です。
    • 家族や友人、サポートグループなど、話を聞いてくれる人々とコミュニケーションを図る。
    • 必要に応じて専門家やカウンセラーのサポートを受ける。

自律神経失調症の管理には個人の状況に合わせたアプローチが必要です。自身の体や症状に注意を払い、自分に合った方法を試しながら、自律神経失調症の日常生活上の注意事項を適応していきましょう。

  1. 情報の把握と教育: 自律神経失調症についての情報を収集し、自身の状態を理解することが重要です。信頼できる情報源から正確な情報を得ることで、適切なケアや対処方法を見つけることができます。
  2. 自己観察と日記のつけ方: 症状のパターンやトリガーを把握するために、自己観察や日記のつけ方が役立ちます。日常の症状や出来事、食事や運動の内容などを記録し、関連性や傾向を把握することで、自律神経失調症の管理に役立ちます。
  3. 医師や専門家との定期的なフォローアップ: 自律神経失調症の管理には、医師や専門家との定期的なフォローアップが重要です。症状の経過や治療効果を共有し、必要な調整や相談を行いましょう。
  4. 限度を守る: 自律神経失調症は症状の増悪を引き起こす可能性があるため、自分の限度を守ることが重要です。無理な負荷や過度なストレスを避け、休息とリラックスの時間を十分に取るようにしましょう。
  5. 身体と心のバランス: 自律神経失調症の管理には、身体と心のバランスを取ることが重要です。リラックス法やストレス管理法を取り入れるだけでなく、良好な人間関係や社会的なサポートネットワークを築くことも大切です。

 

  1. バランスの取れた日常生活: バランスの取れた日常生活を送ることが大切です。適度な休息と活動のバランスを保ち、規則的な生活リズムを整えることで、自律神経の調節機能をサポートします。
  2. 温かい水 baños: 温かい水 bañosはリラックス効果があり、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。温かいお風呂や温泉、シャワーを利用し、身体と心をリラックスさせましょう。
  3. 視覚刺激の調整: 明るすぎる環境や強い光、刺激的な映像など、過度な視覚刺激は自律神経に負荷をかけることがあります。目を休めるために、適切な明るさや視覚刺激の調整を行いましょう。
  4. 呼吸法の実践: 深くゆっくりとした呼吸を行うことで、副交感神経を刺激しリラックス効果を促すことができます。定期的な呼吸法の実践や意識的な深呼吸を取り入れましょう。
  5. 心理的なサポート: 自律神経失調症の症状は精神的な要素と関連していることがあります。心理的なサポートを受けることで、ストレスや不安を軽減し、自律神経の調節に役立つことがあります。心理療法やカウンセリングを検討しましょう。

以上が自律神経失調症の日常生活上の注意事項の一部です。自律神経失調症の症状や個人の状況に応じて、これらのアドバイスを適応してください。また、必要な場合は医師や専門家の指導を受けることも重要です。ご自身の健康を第一に考えながら、継続的なケアを行ってください。