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Update:2023.02.23

トリアゾラム(商品名:ハルシオン)

目次

トリアゾラム(商品名:ハルシオン)とは

トリアゾラムとは、ハルシオンという商品名で1983年4月に販売開始されたお薬で、有効成分の名前です。販売開始から40年近く経過しており、現在ではジェネリック医薬品も多く販売されています。その場合は名前にトリアゾラムとつきます(以下、トリアゾラムで統一します)。

トリアゾラムは、薬効における分類でベンゾジアピン系という種類のお薬に分類されます。一般的にベンゾジアゼピン系のお薬は、抗不安薬や睡眠薬として用いられています。お薬によって作用する時間や効果の強さは異なりますが、全般に抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用(筋肉のこわばりを抑える)といった作用があります。トリアゾラムはベンゾジアゼピン系のお薬の中でも効果が出るまで早く、効果の持続時間が短い「超短時間型」のお薬です。服用して30分以内には効果が現れ、2~4時間程度で血中濃度が半分になります。他のベンゾジアゼピン系のお薬と比べて、作用が比較的強いため、入眠障害のある方に対して寝つきを良くするのに有効なお薬となります。しかし、依存性や離脱症状、健忘(もの忘れ)といった重大な副作用も持ち合わせているため、注意して服用する必要があります。過去にはこの健忘を遊び感覚で味わうためにトリアゾラムを乱用することが社会問題として取り上げられたこともあります。一度依存状態となってしまった場合は辞めるまでに時間を要するため不必要な服用や乱用は行わず、医師や薬剤師の指示通りに服用するようにしてください。

トリアゾラムの作用について

トリアゾラムには、催眠作用や抗けいれん作用、抗不安作用などがあります。作用時間が短く、臨床試験において優れた催眠効果が見られたため不眠症(睡眠の問題が1か月以上続き、日中に支障をきたす病気)の患者さんに対する睡眠導入や、手術前の不安感軽減を目的として使用されます。

効果は服用後速やかに発現するため就寝前に服用すると寝つきが良くなります。一方で、作用時間が短いため、「夜中に目が覚める」「朝早くに目が覚める」といった症状の方には、あまり適しません。

トリアゾラムの服用方法について

トリアゾラムは以下の用量が販売されています。

  • 0.125㎎錠
  • 0.25㎎錠

トリアゾラムの服用時、人によってはふらつきや眠気などが現れることがあるため、基本的には少量から開始します。不眠症の患者さんは1回0.125mgを就寝前に服用します。不眠症が重い場合、上限0.5㎎までとして適宜増減します。手術前投与では、手術前夜に1回0.25㎎を就寝前に服用します。必要に応じて、0.5㎎まで服用できます。

高齢者の患者さんの場合は年齢や症状等を考慮し増減しますが、基本的に服用量は上限を0.25mg/回とします。効果の出方には個人差があるため、患者さんの状態を見ながら最適な投与量を常に選択・変更する必要があります。

トリアゾラムの注意点について

 トリアゾラムは、ベンゾジアピン系の中でも比較的効果の強いお薬である反面、副作用にも注意が必要です。

主な副作用としては以下のものがあります。

  • めまい/ふらつき:1.27%
  • 眠気:1.20%
  • 倦怠感:0.77%
  • 頭痛・頭重:0.70%

 他にも夜中に目が覚め、その時の出来事を覚えていない一過性前向性健忘や無遊症状、幻覚、錯乱といった副作用も報告されています。就寝前以外に服用することは避け、トリアゾラムの服用期間中は自動車などの危険を伴う機械の運転は控えましょう。また、ベンゾジアゼピン系全般に注意が必要な副作用として依存性や離脱症状があります。これらの副作用は作用時間が短いお薬ほど危険性が高いとされているためトリアゾラムは注意が必要です。依存性を生じるといつも通りお薬を服用しても効き目を感じにくくなったり、何錠もお薬を服用したくなったりします。また、いきなりお薬の量を減らしたり、服用を止めた場合、離脱症状と言って患者さんの不眠やうつなどの症状が一気に悪化してしまうことがあります。

服用できない/注意が必要な患者さん

以下の患者さんはトリアゾラムを服用してはいけません。

  • 緑内障の患者さん
  • 重症筋無力症の患者さん

また、以下の患者さんは医師の指示を仰ぎ、少量から開始するなど慎重な服用が必要です。

  • 高齢者の患者さん
  • 喘息など呼吸機能が低下している患者さん
  • 心臓や肝臓、腎臓に障害がある患者さん

  トリアゾラムは肝臓で分解され、腎臓から排出されます。そのため、肝臓や腎臓の機能が低下している患者さんはお薬の効果が強く出てしまったり副作用の危険があるため注意が必要です。また、筋弛緩作用といって筋肉のこわばりを抑える作用があり、足に力が入らず転倒やつまづきといった副作用につながることもあります。服用期間中はなるべく患者さん単独での外出は避けるようにしてください。また、妊娠および授乳中の患者さんにおいては、お薬が胎児や母乳に移行することが分かっています。服用の必要性について医師・薬剤師に相談するようにしてください。