認知行動療法とはcolumn

Update:2021.02.04

認知行動療法とは

目次

認知行動療法とは 

認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)は、うつ病や不安障害の治療の第一選択となっているサイコセラピー(精神療法・心理療法)のことです。世界的に見ても、メンタルヘルスの分野において、もっとも有効な介入法として幅広く用いられています。それは、他の心理療法とは異なり、閉じた体系となっていない点です。したがって、従来型の支持的精神療法や精神分析のように、患者さんの話しを傾聴・受容・共感して、回復をサポートする療法に比べ、認知行動療法の有効性は著しく高く、薬物療法に勝るとも劣らない治療効果が、医学的にも証明されています。

認知行動療法の特徴は、個々の症状や問題に対して、それぞれ対応できる多様な技法をもっている点です。状況に合わせてもっとも適切な技法が活用でき、それによって有効な介入が可能なのです。そして、他の方法に開かれた体系であるため、生物-心理-社会モデルに基づくメンタルヘルスの活動に適合しやすく、薬物療法などの生物学的介入を含めたさまざまな介入方法と組み合わせることができるため、統合的な活動を構成することも可能となっています。このような点から、認知行動療法はメンタルヘルスの領域に限らず、身体疾患の再発や予防などの領域においても広く導入が可能となっているのです。

しかし、世界の趨勢と比較すると、わが国における認知行動療法の導入は遅れていました。近年に至って、ようやく日本においても、医療機関で活用されるようになり、実績を重ねつつあります。とはいえ、認知行動療法を習熟した専門家は非常に不足しているのが現状です。イギリスでは、2008年から国家的に巨額の予算をつけて、専門家の養成に取り組んでおり、希望する人は誰でも認知行動療法を受けられるようになっています。わが国においても、2010年から認知行動療法が一部保険点数化されましたが、まだまだ不十分です。国民が良質な認知行動療法を受けることができるようになるためにも、専門家の養成が急務となっています。

では、認知行動療法とは一言でどんな療法のことでしょうか? 認知とは「考え」のことをいいますが、この考えを修正する「認知療法」というのがもともとありました。一方、行動を修正する「行動療法」もあって、それぞれ別々に発展してきました。認知行動療法は、いわばこの二つの療法をひとまとめにしたようなもので、表裏一体化された療法のことです。したがって、患者さんを温かく受け止める精神療法としての傾聴・受容・共感の部分はそのままベースにあり、そのうえで病気の原因となっている認知や行動の悪循環となっているパターンを見つけ出し、それを良い循環に変えていくことによって、症状を改善していくことを目的とする療法のことです。

認知、つまり「考え方」は人によって異なります。例えば、

  • ①地球は丸い
  • ②お化けは実在する
  • ③空は青い
  • ④自分が乗る飛行機は墜落する
  • ⑤今の仕事に自信がある
  • ⑥自分は美人(美男子)ではない
  • ⑦明日は雨が降る
  • ⑧初めて会った人とすぐに仲良くなれる

…といった項目について、認知(考え)の確信度をパーセントで表わしたらどうなるでしょうか? もちろんこれは、常識や知識を問うものではありません。自分の主観的な考えをはかるものです。

この中で、①~④の項目については100%信じるか、まったく信じないかのどちらかになりやすい傾向があります。このように、常識的なことについては0か100かの両極端に考えてしまいがちで、それを変えることは難しいものの、しかし変えられないこともありません。一方、⑤~⑧の項目のように、仕事や自分のことや人間関係などについては、その時の気分や状況、経験、性格などによって確信度が10%であったり30%であったり、50%や70%などのように柔軟に変化します。つまり、認知(考え、気の持ち方)によって確信度のパーセントが変わります。もちろん0%もいれば100%の人もいます。中には⑤の「仕事に自信がある」については0%に近い確信で、「自分はダメ人間だ」と考え、気分が落ち込み、不安になり、行動面にも影響が出てきます。このような人に「考え方を変えましょう」と言っても、「地球は平だと思いなさい」と言うのと同じくらい難しいことなのです。

認知行動療法は、この認知を変えられずに苦しんでいる人のために開発された療法なのです。自分の思考パターンをつかみ、それを変えていくことが出来れば、感情も変わり、行動も変わり、生活も変えていくことができます。本格的な認知行動療法は、専門の医療機関で受けることが出来ます。一般的に、患者さんと治療者(精神科医や専門の臨床心理士)が一対一で話し合いながら進める個人認知行動療法の場合は、一回30~50分程度の治療を、合計12回程度のセッションで治療を進めていきます。一方、患者さんが3~10人という複数の場合は、治療者が2~3人ぐらいついて、グループで治療を進めていく集団認知行動療法という方法もあります。また、症状が軽く医療機関に行くほどでない場合は、自分でワークブックを使って、1人で認知行動療法を行うセルフヘルプという方法もあり、これによって症状を改善することも可能です。

従来の精神療法との違い

 認知行動療法が、従来の精神療法(心理療法、精神分析、心理セラピー、サイコセラピーなど)とどこが違うのかというと、患者さんの気持をあたたかく受け止め、共感的に話を聞く点ではこれまでの手法と変わりませんが、その後の対応において患者さんと一緒に具体的な解決策を考え、それを生活の中で応用していく点ではより実践的な手法といえます。 

これまでの精神療法というのは、物理的・化学的な手段に拠らず、治療者である専門医やセラピストが対話・教示・訓練を通して、認知・行動・感情などに変容をもたらすもので、精神疾患や心身症の治療などに寄与してきました。その基本となるのが支持的精神療法(支持的心理療法、支持療法)です。これは力学的精神療法の一つで、精神分析を基本におき、患者さんの“無意識の心”と“意識的な心や行動”の相互関係を理解しながら治療を行うものです。治療者はまず患者の悩みや不安をよく聴き、それを理解して支持するのが基本です。したがって、治療者は患者さんの訴えに対して、良いとか悪いとか、間違っているといった価値判断はしません。また、安易に励ますようなこともしません。あくまでも患者さんを支持することによって、気持を楽にさせ、精神的に自立できるようにしていきます。

心の病気の治療においては、治療者は患者さんの気持をあたたかく受け止めることから始めます。その3つのポイントは傾聴・受容・共感です。傾聴では、まず話を聞くことに徹し、あれこれ指示することはしません。受容は、どんなに突拍子もないことを言っても、否定せず受け止めます。そして共感では、患者さんのつらい気持を自分のことのように理解することです。どこまでも治療者は、患者さんを支持(サポート)し続けることが重要となります。この手法は、そのまま認知行動療法においても受け継がれますが、認知行動療法ではその後の対応に特徴があります。それは理性的であり、実践的であるということです。感情を受け止めるだけではなく、理性(知性)の用い方も教えます。また傾聴や分析にとどまらず、その先の道筋についても一緒に考え、実践に移して問題解決にあたります。

このように、認知行動療法は患者さんのありのままの気持を受け止めて、なおかつ患者さんの状態を変えて治療していく、という二つの側面を同時に行う治療法です。受容と変化という要素を扱う手法だけに、治療者にとっては難しい治療法ですが、それだけ患者さんにとっては、あたたかくて、効果も高い治療法なのです。

認知療法と行動療法の統合

 認知行動療法は、「認知療法」と「行動療法」が、それぞれ発展するにつれてその領域が重なり合うようになり、やがて二つの療法が統合されて認知行動療法となりました。この二つの療法は、どちらも同じくらい重要な治療法で、表裏一体の相関関係にあります。

認知療法とは

 認知療法は、考え方に働きかける治療法のことです。1963年に、アメリカの心理学者であるアーロンTベックによって開発され、1970年代に体系化された心理療法です。出来ごとに対して、誤った考えや歪んだ認知を合理的な認知へと修正し、感情や行動の変容をはかって、精神的な悩みの問題解決に役立つ手法として確立しました。このベックの認知療法は、アメリカにおいてうつ病を治療することに成功し、その後デビッドDバーンズなどの弟子たちによって世界的に広められ、心理学や精神医療に革命をもたらしたのです。認知療法は、うつ病に対しての効果は著しく、抗うつ薬以上の効果があると証明された最初の精神療法とも言われています。以来、認知療法はうつ病、不安障害、パニック障害、嫉妬や罪悪感など、気持の問題解決に有効であることが証明され、さらに人間関係やストレス、自信の強化などにも効果をあげてきました。そして今日、医療の現場で開発された認知療法は、健康な人がより幸せな人生を送るための手法として注目されている一方、企業やスポーツの現場においても、認知療法の導入が盛んに行われるようになりました。

ストレスが重なったり、悲しい出来ごとがあったりすると、一日中憂うつ気分になり、不安や悲しみ、焦燥感、不眠、食欲不振などに襲われ、それが原因でうつ病の発症につながる人が少なくありません。仕事で失敗したりすると、「自分はダメ人間だ」と決めつけて、いっそう自分を追い詰めたりします。私たち人間の感情はどのようにして発生するのか、そのメカニズムは分かっています。それは、現実世界での「出来ごと」(良いこと、悪いこと、意味のないことなど)があると、それについて「考える」(認知する、思考する、受け止める、解釈する)ことをし、その結果で「感情」が作りだされます。

つまり、この感情は、現実世界それ自体ではなく、現実世界に対する考え方、認知の仕方によって頭の中で作り出され、意味づけされ、感情として表出するのです。問題は、この思考プロセスのパターン化や、認知の歪みにあるようです。抑うつ感や不安感、怒りや悲しみなど負の感情が強い人、極端に悲観的で否定的な人は、この思考のパターン化に陥り、認知に大きな歪みがあることが明らかになっています。認知療法は、まさにこの歪みに焦点をあて、合理的な考え方に修正する技法のことです。考え方に働きかける治療法こそが、認知療法の目的なのです。

ここで、認知の偏り、歪み、パターン化とはどんなものかをまとめてみますと、次のような点が挙げられます。

《両極端思考》
 物事を白か黒か、良いか悪いか、0か100か、全か無かのどちらかでしか考えられない極端な思考です。事実はその中間のどこかにあるのですが、思考に柔軟性がないために、考え方に偏りがでてしまいます。例えば、試験に失敗すれば、「俺はダメ人間だ、失敗者だ」と悲観して落ち込み、逆に合格すれば「俺は有能な人間だ、完璧な人間だ」などと過信します。

《一般化思考》
 たった一度や二度、良くない事が起きたり、思うようにいかなかったり失敗すると、「いつも俺はこうだ」「決まっていつもこうなる」「何をやってもうまくいかない」と、思考をパターン化します。例えば、人とのお付き合いで、たった一回断られただけでも「私はいつも人に嫌われる、断られる」と考える人です。

《飛躍思考》
 結論を飛躍して考えるタイプです。確かな根拠もないのに、飛躍的に結論をだして悲観する人です。近所の方や会社の方と、たまたま道路上で行き違った際に、自分から頭を下げて挨拶したが、相手の方はそのまま通り過ぎていってしまったとします。そんな時、「どんな人も私を無視している」「皆が私を嫌っている」と考えます。相手は、たまたま考え事していて気がつかなかったかもしれない、視力が悪くて見分けがつかなかったかもしれないのに、自分の方から一方的に結論を出して悩むタイプです。

《すべき思考》
 何かやろうとするとき、「~すべき」「~すべきではない」と考えることです。この「すべき思考」が多いと、一般社会の人はこの基準に会わない事が多く、他人の行動に対して怒ったり、がっかりしたりすることが多くなります。また、「すべき思考」が自分に向くと、必要以上に罪悪感やプレッシャーを感じることになります。

以上のような思考(認知)のパターンが、抑うつを初めとする精神疾患に大きく影響していることが、これまでの研究で分かっています。思い込みや現実とのギャップを認識して、ものの見方や考え方を変えていくのが認知療法です。

行動療法とは

 行動療法は、文字通り行動面に働きかける治療法のことです。アメリカの心理学者であり行動分析学の創始者であるスキナーや、同じく心理学者のアイゼンクらによって、1950年代に体系化された心理療法の一つです。行動療法は、一般に「行動(学習)理論にもとづいて、問題行動を適応的方向に変容させることを目標として行われる行動変容技法の総称」と定義されています。つまり、生活の中で不適応な行為や不合理な行動が身につき、それが習慣的になっている行動パターンを、一定の理論によってその行動を修正し変容させて、問題解決をはかる治療法です。一般によく知られているのでは、パブロフの犬の実験です。犬にベルの音を聞かせてから食べ物を与えると、やがて犬はベルの音を聞くだけで唾液をだすようになります。このように、専門家によって行動と条件についての研究や実験が数多く行われ、今日のような不安障害治療の手法として発展してきました。

行動療法は、学習理論と行動理論に立脚し、不適応に陥っている行動の治療改善を図るのが目的です。異常行動そのものが治療の対象になります。たとえば、パニック障害にみられる乗り物恐怖症のような場合、乗り物に乗れないという行動そのものを問題とし、実際に乗れるように指導していくという手続きをとります。「一人で電車に乗ると不安発作を起こしてしまう」という患者さんがいたとすると、この患者さんにとっては、外出することに一定の制限を抱えることになります。この場合、問題は「電車に乗ると不安発作を起こしてしまう」という行動パターンそのものにあります。

この行動パターンを修正し変容させるための手法として、まず「友人と二人で電車に乗ってみる」→「電車に乗らず改札まで一人で行ってみる」→「電車に乗らず一人でホームに立ってみる」→「人込みの少ない時間に一区間だけ電車に乗ってみる」→「人込みの少ない時間に30分程度の距離を一人で電車に乗ってみる」→「一人で電車に乗っても大丈夫な状態になり、これを繰り返していく」といったように、条件を段階的に変えていくことによって、行動を変化させ、問題を解決していきます。この段階的に目標をクリアしていく行動理論を消去理論といって、人間には恐怖刺激や不快刺激に対しての慣れが生じるというものです。この場合の技法としては、暴露療法(エクスポージャー法)の一つである系統的感作法が用いられます。

行動療法では、異常行動は素質ではなく、後天的に学習されたものであると考えます。したがって、学習の原理にしたがって、適切に学習し直すことが治療であると考えます。そのため、条件付けの考え方にたって、さまざまな治療法が工夫され、併用したり使い分けしたりして用いられます。系統的感作法のほかに、現実刺激によるフラッディング法、刺激統制法、オペラント条件付け療法、嫌悪療法、条件性制止療法などの技法があります。行動療法の特徴や取り組みのポイントについてまとめると、以下のようになります。

行動療法の考え方

  • ① 人間の行動は、大部分が学習によって獲得されたとみなす。他の心理療法と比較して、客観性と普遍性において優れている。
  • ② 神経症においてさえ、何らかの理由で不適応的に学習された習慣に過ぎないものであり、その習得に用いられた同じ原理を組み合わせれば、それは解除できると言う考え方に立っている。
  • ③ 一般に他の心理療法と比較して、治療に要する時間は短く、治療の経過を客観的に理解することができる。

行動療法の特徴

  • ① 行動理論を基礎原理とする。
  • ② 治療の目標を明確にし、客観的測定や制御が可能な行動のみを治療の対象とする。
  • ③ 症状を、不適応行動の学習あるいは適応行動の未学習としてとらえる。
  • ④ 治療の焦点を過去ではなく、今現在にあてる。
  • ⑤ 治療の最終目標を行動のセルフコントロールとする。

 以上、述べてきたように、認知療法と行動療法にはそれぞれの歴史があり技法も異なりますが、実際には表裏一体の関係にあります。認知と行動は密接に関係しているため、認知が変われば行動が変わり、行動が変われば認知も変わってきます。治療の効果も、認知面と行動面の両方に出ます。この二つの治療法を統合させたのが、認知行動療法です。

認知行動療法は、1990年代位に体系化され、イギリスのクラークやサルコフスキスらによって、認知療法と行動療法が統合されました。強いエビデンスをもち、不安障害やうつ病の治療法として国家的に実践されるようになりました。このようにイギリスでは、認知行動療法の普及が進み、現在も各種理論が発展しつつあります。例えば、東洋的な考え方などにヒントを得たマインドフルネスは、心のありのままの状態を受け入れる手法です。また、アクセプタンス&コミットメントセラピーといって、いま与えられているものを受け入れ、それに対応する手法など、新しい技法が開発され、今も発展し続けています。しかし、日本においては、スタンダードな認知行動療法の定着および普及がいま始まったところです。

うつ病や不安障害の治療の第一選択

 現在、イギリスやアメリカなどの国々では、認知行動療法がうつ病や不安障害治療の第一選択になっています。そのエビデンス(科学的根拠)として、治療効果を示すデータが提示されています。それによると、中等度から重度のうつ病患者に認知行動療法を行ったときの反応率(治療効果の割合)を調べたところ、薬物療法と同等の効果があるといわれています。また、不安障害への効果においても、有効性の数値が高いことがわかりました。不安障害の中でも、特に強迫性障害や急性ストレス障害などにおいて、治療効果の高いことがわかりました。標準的な認知行動療法を、熟練したセラピストと共に行えば、半数以上の人が完治するという報告もあります。

このように、認知行動療法には薬物療法と同じくらいの効果があると同時に、効果の持続時間だけで比較すれば、薬物療法よりも長いことが認められています。こうした裏付けによって、認知行動療法の重要性が高まり、海外では近年、従来の精神療法と薬物療法の治療法に加え、認知行動療法が盛んに用いられるようになってきています。

イギリスのNICE(国立医療技術評価機構)では、うつ病と不安障害の医療ガイドラインで、認知行動療法と薬物療法における治療効果を認め、効果の持続期間においては認知行動療法を優位においています。また、アメリカのNIMH(国立精神衛生研究所)でも、うつ病と不安障害の治療において、薬物療法あるいは認知行動療法のどちらかを第一選択としています。同じアメリカの精神医学会でも、パニック障害の治療については、薬物療法と認知行動療法は、その効果において優劣がつけがたいとしています。科学的根拠に基づく医療をEBM(エビデンス・ベースド・メディスン)といわれますが、認知行動療法はまさに多くの科学的根拠や臨床研究によって行われるEBMにあたるのです。この認知行動療法は、脳の前頭前野に働くと考えられており、脳科学によるエビデンスの提示が今後期待されるところです。

認知行動療法は脳の前頭前野に働く

薬物療法と認知行動療法の組み合わせのパターン

《パターン・1》…【認知行動療法】→【薬物療法】
 治療は、まず認知行動療法から始めます。これは、副作用で薬が飲めない場合や、薬を飲むことに強い抵抗感を感じる患者さんの場合に行われるパターンです。軽症のうつ病をはじめて発症したときに、このパターンが適しています。

《パターン・2》…【薬物療法】→【認知行動療法】
 薬物療法から治療を始めるパターンです。薬で激しい症状を抑えてから認知行動療法に入る場合と、薬では十分な効果が出ないため認知行動療法に移行して治療が行われる方法です。現在、日本で行われている治療で最も多いパターンです。

《パターン・3》…【薬物療法】+【認知行動療法】
 これは、二つの治療法が平行して行われます。薬物療法で症状を緩和し、認知行動療法で生活を変えるもので、相乗効果が期待できるパターンです。しかし、どちらの治療法がよかったのか判断しにくいのが欠点といえます。

 二つの治療法を併用したときの効果については、科学的にも実証されています。併用という点でも、認知行動療法にはエビデンスがあるのです。
併用による治療効果