うつ病

2024-12-09
監修:本 将昂

うつ病 とは

うつ病は、持続的な気分の落ち込みやエネルギー不足、自己価値感の低下、集中力や睡眠の問題を伴う状態です。発症には生物学的、心理学的、社会的要因が関与し、ストレスや過去のトラウマが原因となることがあります。自己判断や家族の支援だけでは解決が難しく、早期発見と治療が重要です。治療には薬物療法や心理療法が用いられ、健康的な生活習慣も改善に効果的です。
 うつ病  -  日本精神医学研究センター

うつ病は世界で3億人以上

世界保健機構、WHOによると、うつ病に悩んでいる人が世界で3億人以上に上ると推定しています(出典元: World Health Organization (WHO): WHO Report)。

​うつ病は最悪の場合、自殺につながることがあるわけですが、世界でうつ病関連の自殺者が年間70万人発生していると推定されています(出典元: World Health Organization (WHO): WHO Website)。

2020年には日本で25,347件の自殺が記録されており、その数は増加傾向にあるとされています(出典:Gitnux.com:Gitnux Japan Depression Statistics
社会構造や日常生活の状況が変わってきており、ストレス社会となっています。日本ではそれに直面しており、特に大きなことは日本が世界の先頭を切って超高齢社会に入ってきていることです。

うつ病の3つの大きなカテゴリーは、若い人たちの青年期、妊娠・出産期の女性たち、そして高齢者に分けられていますが、WHOではうつ病はどんな年齢層でも起こり得ると強調しています。
超高齢社会に差しかかった日本では、メンタルな要素をもう少し考えなければなりません。 うつ病で苦しむ人に気付き、治療の支援を行う必要があります。うつ病になれば、激しい気分の落ち込みが長期間続き、仕事など日常生活に支障がでるようになります。

日本では、2020年には20.6%の高齢者がうつ病を患っていると推定されており(出典:Gitnux.com:Gitnux Japan Depression Statistics)、日本人の生涯における気分障害(うつ病を含む)の発症リスクは6.64%とされています(出典:Gitnux.com:Gitnux Japan Depression Statistics)。また、2018年には日本の学生の8.8%がうつ病や不安障害を抱えていると報告されています(出典:Gitnux.com:Gitnux Japan Depression Statistics)。

大人のおよそ9%がうつ病にかかるとされるなど、WHOは地域などに関係なく世界的に起こっている現象としています。

さらに、女性のおよそ5人に1人が産後うつ病にかかり、アルコールや薬物中毒、経済状況、失業といった外部環境なども、うつ病を招く要因となっています。

うつ病患者は自分の病気を自覚しにくいため、必要な治療を受けている患者は半数にも満たないと報告しています。

このように、うつ病は今、世界的に増加している疾患です。我が国における年間の医療費の中でうつ病の治療に必要な医療費は約2000億円(外来費用、入院費用、薬剤費用の総計)、社会的損失は約2兆円(罹病費用9200億円、死亡費用8800億円を含む)であり、心臓病(冠動脈疾患)の治療に必要な医療費に匹敵し、また、ガン(悪性新生物)の治療に必要な治療費の約二分の一に相当すると報告しています。そして、生涯有病者数はがんや心臓病の2倍以上という憂えるべき事態になっており、現在、うつ病は今世紀最大の克服すべき病気の一つになりつつあります。

うつ病の増加傾向は日本においても同様で、日本の医療機関を受診するうつ病患者数は、ここ十数年で4倍以上に増えており、しかも年々増加しています。内閣府の『障害者白書』によると、精神障害で苦しむ人は人口の約4%にあたるおよそ419万人いるとしています。これは、福岡県の総人口(約511万人)に匹敵する数ですので、いかに多くの人が精神障害で苦しんでいるのかがわかります。その内、うつ病を含む気分障害の患者数は約30%の128万人に達しています。またうつ病に限っていえば、7人のうち1人が生涯のうちに1回はかかるという報告もあります。

こうした背景もあって、わが国では自殺によって命を落とす方が2万人弱いますが、その約半数の方が自殺直前の段階でうつ状態にあるといわれており、過去10年間減少しつつあるものの、うつ病は未だに深刻な社会問題といえます。

 

背景にストレスの増大が

うつ病の増加の背景には、やはり社会的・文化的な要因が強く影響しているものと考えられます。近年の特徴として、特に働き盛りの40~50代の年齢で発病が増えている傾向があります。成果主義や効率主義、また「勝ち組」や「負け組」といった言葉で象徴されるような競争社会のなかで、若者たちは過重労働をしいられ、心身のストレスが慢性的に溜まっています。職場の長期休職者の大半がうつ状態、もしくはうつ病によるものであると言われ、仕事ができなくなる原因疾患の第一位に挙げられています。さらには、インターネット社会が急速に進み、世界のあらゆる情報をいつでも容易に知ることができ、貧富の格差や自己不全、閉塞感などもうつ病を増加させている要因になっています。 このように、うつ病が急増している背景にはストレスの増大があります。そのストレスも単純なものではなく、複合的なストレスです。高度情報化、核家族化、高齢化、少子化、都市化に伴う地域コミュニティーの崩壊、都市機能の一極集中化、女性の社会進出、さらにはバブル経済の破綻、不景気に伴うリストラ、社会環境の激変などさまざまな要因があります。確かに、現代の社会は高度化と多様化で、生活は便利になりましたが、その反面で人間関係の摩擦や葛藤がうまれ、生活スタイルが変化し、価値観が多様化するなかで、常にストレスにさらされ心のトラブルを抱えながら生活しています。このストレスの要因の他に、日本人特有の依存的体質である「甘えの構造」もあります。年齢を重ねても、大人になりきれないといういわば“境界人間”が増え、その結果、さまざまな心のトラブルに悩まされてうつ病の予備軍となり、軽症うつ病の患者が増加しています。 もちろん、うつ病患者が増加しているもう一つの背景には、うつ病に関する知識や情報が広まり、以前に比べて精神科を受診する人が増えていることが挙げられます。同時に、医療側の事情としても新しい診断基準(DSM分類やICD分類など)が普及し、診断が明確になったことも理由に挙げられます。しかしこのことは、うつ病と知らずに苦しんでいた患者が以前はかなりいたことを裏付けることにもなります。今後もうつ病患者数は増えることが予想されます。日本の医療機関でのうつ病患者数は、平成14年度の71万人から平成29年度の127万人と15年間で8割増加し、年々増加しています。それに伴って心療内科クリニックの数も急増しており、診療内容にも差があります。今や、病気による社会の負担は、ガンに次いでうつ病が社会負担の大きな疾患になっていることが統計上で明らかになっています。そのため、今やうつ病は日本の国民病としてその重大さが認識されようとしています。

「心のカゼ」と言われるうつ病

そもそもうつ病とは何か、という問いに対して「うつ病は心のカゼ」という表現がよく使われます。カゼというイメージに置き換えると解りやすく、うつ病は誰でも発症する可能性があると同時に、うつ病は適切に対処しなければ長引いて、重症化する恐れがあるということです。また一度回復しても、再び悪化したり、数年たって再発したりするケースもよくあります。うつ病は、多くは治りやすい病気ですが、再燃・再発しやすい病気でもあるということです。「心が弱いから、性格に問題があるからうつ病になる」という思い込みは大きな誤解です。誤った思い込みが、うつ病の症状とは別に患者を苦しめ追い詰めてしまうことになりうるので、うつ病を正しく理解することが何よりも重要なことです。 うつ病の難しさは、何と言っても患者の心の中で起こる症状のため、周囲も本人もなかなか気付きにくい点です。患者がうつ病で苦しんでいても、内科的な検査ではなかなか異常が認められないため『最近ではうつ病になるとBDNF(脳由来神経栄養因子)の血中濃度が低下することや、PEA(ホスフォエタノールアミン)の血中濃度が低下することが発見され、約9割のうつ病患者が血液検査で診断が確定できるようになりつつあります』「気のせい」「気の持ちよう」と言って片付けられてしまう傾向があります。また、苦しんでいても、本人は家族や職場など周りの人に心配をかけまいとして、症状を口にせず隠し続けるケースもあります。一般的にうつ病患者は、まじめで他人に気を遣うタイプの人が多いため、仕事に対しても誠実に向き合い、症状に苦しめられていてもギリギリのところまで頑張ってしまいます。そしてどうにもならない状態になって、はじめて周囲が気付くことも少なくありません。 特に企業にとっては、生産性向上のために社員のうつ病対策は重要な課題でした。メンタルヘルスケアにいかに取り組むかが、その会社の企業価値を高めることにつながっていると考えられていたのです。この考え方は、数年ほど前までは順調に成長しつつありましたが、昨今のデフレ経済で象徴される金融不安、景気の後退、業績の低下、さらにはリストラの断行、工場閉鎖、生産調整、企業の存続すら危ぶまれるなかで、メンタルヘルスへの意識の低下は否めません。そうした中で、メンタルヘルスに問題を抱える社員が増加し、会社側も休職者への配慮が難しくなり、先の見えない社会不安や雇用不安が続くことによって、ますます心の不調者は潜在的に増えているものと考えられます。 日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所の全国調査(2012年)では、全国の上場企業の約220社を対象に「心の病」を抱える従業員の年代別調査をおこなったところ、40代が最も多く、2年前の調査から13.9ポイントも増えて36.2%となったと報告しています。次いで30代が34.9%、10~20代も4.9ポイント増えて18.8%となっています。それらの原因は「本人の資質」や「職場の人間関係」によるものと回答しており、要因としては成果主義型の人事制度の中で、管理職に就けずに権限がないまま責任だけを負わされる40代特有の状況があるとしています。うつ病であることを会社に告げれば職を失うかもしれないという不安に苛まれながら、会社を休むこともできずに無理して働くことで病状を悪化させてしまっている人も少なくありません。

 

うつ病とはどんな病気?

人間には誰でも気分の浮き沈みがあります。勉強や仕事がうまくいかなかったり、人間関係でトラブルを抱えたり、また異性にふられたりすると気分が落ち込んで何もやる気が起こらなかったりします。しかし、いつの間にか沈んでいた気持ちが消えて精気を取り戻し、「また頑張ろう」と元気が出てきていつもと同じように活動できるようになります。このように、気分の落ち込みが一時的で、時が経つにつれて消えていくような一過性の気分の落ち込みであればそれは正常な範囲であり、特に心配することはありません。

ところが、こうした落ち込んだ気持ちや元気のない状態が数週間、あるいは数カ月といった、ある一定期間長く続いて、いつまでも以前のような元気な状態に回復しない場合、さらに日常生活や社会生活に支障をきたすような状態であれば、それは「うつ病」と診断されるようになります。うつ病の気持ちを一言でいうと「雨降りの日の感情」とも言われます。何となく物悲しく、漠然としたゆううつな気分です。その気分を言葉で表現するならば「悲しみ」「不安」「寂しさ」「気分の沈み」「虚しさ」「気がめいる」「おっくう」「うっとうしい」「重苦しい」「寂寥感」「厭世観」「焦燥感」「劣等感」「自己無価値感」などといった気分です。このように沈んだ気分を精神医学では「抑うつ気分」といい、抑うつ気分はうつ病においては最初にみられる精神症状です。この抑うつ気分の状態が長く続くと、「もう自分はダメになってしまう」と考えるようになり、「自分は生きている価値がない」「この世から消えてしまいたい」などと考え始めます。自己卑下や自責の念にかられ、やがて感情面だけではなく、意欲や行動面において障害が現れるようになります。自分で決断することも実行することもできなくなります。

なお医学的には、正常な範囲の気分の落ち込みは単に「抑うつ」といい、「うつ病」とは区別しています。ただし、憂うつで一時的に気分が落ち込んだ状態と、うつ病で抑うつ気分になった状態を比べても、気分の落ち込みそのものに質的な差はそれほどありません。それは、正常な人の気分の落ち込みとうつ病の抑うつ気分では心理的には同じような性質と考えられるからです。したがって、どこまでが正常で、どこからが病気なのかを判断するのは非常に難しいことですが、それは専門医が複数回の診察を経てようやく診断が可能となります。

 

発見や早期治療が遅れる理由

うつ病は、一般的には几帳面で真面目で、社交的、協調性のある人に多く発症しています。そしてうつ病の人といえば、見るからにして表情も沈鬱で、何かと自分を責めるタイプのイメージですが、しかし周囲から見てそれがうつ病であるかどうかはなかなか分かりにくいものです。できれば本人がそれと気付いて病院を受診し、治療を受けることがベストですが、なかなかその通りいかないためにうつ病の治療はどうしても遅れがちになります。最初は、食欲がない、眠れない、疲れやすいなどといったごくありふれた症状で始まるため、本人の感覚では、病気になる前の自分と病気になった自分はほとんど同じで、それほど違いを感じていないのが実情です。したがって、どうしても発見が遅れることになり、そのまま放置しておけば最悪の場合自殺にもつながるというやっかいな病気です。

 うつ病の発見や治療が遅れる理由に、日本の文化や風土も関係しています。それが精神的な病気と分かっていても、本人はすぐに精神科や心療内科を受診しようとはしません。その背景にはアジア的家族主義があって、精神疾患であることを隠し、家族や親戚などの身内で患者を抱え込んでしまうという文化があったのです。そのことが病気をより深刻な状態に追いやっていたことも事実です。近年、そのような文化がなくなりつつありますが、精神疾患への対応はまだ十分とはいえません。うつ病においても、たいていはまず一般内科を受診するケースが多く、「特に問題ありません」と医師に言われて、ひとまず安心して帰ってきますが、その間も症状は進行し悪化していきます。その次に訪ねるところは心療内科ですが、ここでも手に負えなくなって、最後に精神科を紹介されるのです。この間の時間的な遅れは、半年から1年になることもあり、もっと早く精神科を受診して治療していれば、これほど重症化しなかったであろうと思われる患者を多く見かけます。遠回りしてしまう理由には、うつ病への正しい知識がまだまだ一般人に啓蒙されていないことや、そして何よりもうつ病という病態そのものの特性にあるともいえます。

 

新型うつ病の台頭

うつ病にかかる人というと、大抵は前にも述べたように几帳面で真面目で他者配慮性があり、仕事熱心で強調性があって完璧主義の人でした。さらに自責的で自罰的な人がストレスに晒された時にかかる病気でした。そして見るからに憂うつなタイプの人をイメージします。この以前からあった典型的なうつ病はメランコリー親和型と呼ばれるうつ病で、その患者の多くは、抗うつ薬を処方することで症状が改善していました。

しかし最近はこうした古典的なうつ病とは異なる新たなうつ病が増えてきました。いわゆる「新型うつ病(非定型うつ病)」と呼ばれる疾患です。その病態はメランコリー親和型うつ病とはまったく正反対で、受動的で無気力で、体力がなく、自己愛が強く他罰的です。例えば、職場にあっては協調性どころか自己中心的で、仕事においても不真面目なところがあるような人が、会社を休み始め、その後にうつ病の診断書を会社にもってきて休職を願い出るというケースです。つまり、自分がうつ病になったのは、会社のせいであり家族のせいだと考えます。このように以前の定型的なうつ病とは全く違うタイプのうつ病が最近では多く診断され、これは非定型うつ病(新型うつ病)と呼ばれます。十数年前と比べて、明らかにうつ病の病態自体が変わってきているのです。年齢も20代から30代の比較的若い人に多くみられます。症状は軽症例が目立つものの、慢性化しやすく、薬も効きにくく長期間の治療が必要となります。非定型うつ病については、本文でまとめて詳しく述べます。

 

心の弱い人がうつ病になる?

 うつ病について、「心が弱いからうつ病になるのではないか」と考えている人がいますが、これは大きな誤解です。うつ病は、心の弱さから発症する病気ではありません。うつ病にかかる原因はいくつかの仮説が存在するものの、現在でもはっきりと原因が解明されていませんが、これまでの研究では、脳内物質の機能障害、性格、遺伝、ストレス、中枢神経系の慢性的な炎症などの要因が重なり合って発症しているではないかとされています。うつ病になる人は、心が弱いことが原因ではなく、むしろまじめでコツコツとやる心の強いタイプの人に多く見られます。こうしたタイプの人が、強いストレスや急激な変化に直面したときに、それに対応ができず、疲労や苦痛を抱えることがうつ病を発症させるひとつの要因になっているのではないかと考えられます。

「うつ病」簡単セルフチェック

最近の自分を振り返って、以下の項目に当てはまるようなことがありませんか? つらいことや悲しいことがあって気分が落ち込んだ時、それがいつまでたっても回復せずに長く続くような場合は、「うつ病」の可能性があります。複数以上の項目に当てはまるようでしたら要注意ですので、一度精神科もしくは精神疾患に精通した心療内科を受診して専門医に診てもらいましょう。

  1. 気分が落ち着かず、不安でしかたない。
  2. とにかく憂うつでしかたない。
  3. 何をしても感情が湧いてこない。
  4. 仕事への意欲が低下してきた。
  5. 好きだったことに打ち込めなくなった。
  6. 毎日の生活にハリがなくなった。
  7. 悲しくてしょうがない。
  8. 常に罪悪感を抱いている。
  9. 将来に希望がもてない。
  10. 自分は役にたたない人間、社会から必要とされない人間だと思っている。
  11. 他人に対して興味がなくなってきた。
  12. 何をするにも億劫に感じる。
  13. わけもなく疲れたような感じがする。
  14. イライラする気分がずっと続いている。
  15. 死について考えることがある。

当院でのうつ病治療成績

2012年1月~9月末の期間、当院において初診時に「うつ病」もしくは「うつ状態」にあると診断し、初診時より「レクサプロ(SSRI)」と「三環系抗うつ薬(TCA)」を組み合わせて治療を行った患者全204名を対象として、属性ごとの統計、およびSDS検査結果の改善状況をまとめた。

うつ病患者の統計

症状レベルをそれぞれ軽度(40点台)・中等度(50点台)・重度(60点以上)と定義してグループ分けを行なった。

以下の図は、対象となる患者を性差・初診時の症状レベル・年代の3つの属性で分類し、統計をとった結果を円グラフで表したものである。

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SDSスコア(初診時)の年齢別の分布は以下のとおりである。

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SDS検査結果の改善状況

SDSスコアの平均値を患者の属性別に求め、初診時・約2週間後・約1ヵ月後(または3週間後)・約2ヵ月後(または5~7週間後)・約3ヵ月後(または8~11週間後)・約4ヵ月後(または13~15週間後)・約5ヵ月後(または17~19週間後)・約6ヵ月後(または21~23週間後)における変動をグラフに表した。

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