受験うつcolumn

受験うつ

この記事のもくじ

1.受験うつとは

うつ病とは、強いストレスとなる出来事を脳が処理しきれずに、パンクしてしまう状態になり、脳の機能が正常に働かなくなります。その結果、脳が物事を判断する際に、悪い面ばかりを考える見方になってしまい、自分や周囲の人の評価を下げる思考になります。些細なことでも悲しみや不安を感じ、睡眠や食事などの日常生活や社会での生活、人との関わりに支障を来すことにつながります。

「受験うつ」とは、未受験期の学生が発症するうつ病の通称です。その名のとおり、受験期にある子どもが勉強しても思うように成績が伸びず、不安や焦りにより日常生活に影響を与えてしまうことです。

受験うつといった診断名はなく、うつ状態やうつ病と同様だと考えても良いでしょう。特に、18歳未満の未成年のうつ病が増加しており、その背景には「受験」という人生を大きく左右する状況に置かれている子どもが多いとされています。

15歳~24歳のうつ病の有病率は、全体の約3.3%です。成人でうつ病に罹患している人の多くが10代で発症していると言われています。このように、10代からうつ病を発症することは珍しいことではなく、そのきっかけが「受験」であるケースが増えてきています。

受験というと大学受験とイメージされますが、中学受験や高校受験により、受験うつを発症するお子さんも多いのです。受験期における勉強のストレスや、周りの期待によるプレッシャーを過敏に感じ、心身の不調を来すことになります。受験うつは、未成年で受験を迎えるお子さんであれば誰にでも起こりうるため、早期に発見することが大切です。

ここでは、受験うつのタイプ別の特徴や治療法、受験うつを予防するためにできることなど、受験生本人だけではなく保護者の関わり方についても詳しくご紹介していきます。

2.受験うつの症状

受験うつは、心の症状だけではなく身体にも症状がみられます。その症状を軽く見て何もケアしないでいることで、いつの間にか症状が重症化しているケースもあります。

ここでは、心と身体に現れる受験うつの症状について、いくつかご紹介します。少しでも同様の症状がみられ、日常生活や受験勉強に支障を来している場合は、子ども自身であれば親や学校の先生に相談し、保護者であれば専門医に相談するようにしましょう。

精神症状

受験うつで見られる精神症状には、以下のように多くの症状があります。当てはまるものがあるかどうか、チェックしてみましょう。

  • 不安が大きい
  • 自分に自信がないと感じる
  • 緊張感や不安が大きい
  • イライラする、怒りっぽい
  • 悲しみや絶望を感じる
  • 涙もろくなる・頻繁に泣く
  • ひどく焦る
  • じっとしていると落ち着かない
  • ネガティブ・消極的になる
  • 孤独を感じる
  • 些細なことでひどく傷つく
  • 勉強に集中できない、集中力が続かない
  • 計画的に勉強できない
  • 勉強が手につかない
  • ケアレスミスが増えた
  • 成績が急激に下がった
  • テストのときに過剰に緊張する
  • テスト本番で本来の実力が出せない
  • 死にたい、自殺したいと思う

感情の部分に関しては、周りから見ても気づかれないことが多く、ご自分で心の不調が辛いと感じて、「受験うつ」を発見する場合が多いでしょう。他には、テストの成績が急激に下がったことで、保護者や学校の先生がようやく異変に気づくケースがあります。

心の問題のつらさは、本人しか分からない場合が多く、受験でうつ病を発症する可能性があることを知らない大人にとっては、「受験で悩むのは当然」「怠けている」と軽く見てしまうことがあります。

たとえ受験うつを発症しない程度だとしても、受験生の精神面は不安定であるため、周りの大人の精神面のサポートは非常に大切になります。

身体症状

受験うつで見られる身体症状には、以下のように多くの症状があります。当てはまるものがあるかどうか、チェックしてみましょう。

  • 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
  • 吐き気がする、吐いてしまう
  • 身体がだるい
  • 朝起きれない、早く起き過ぎてしまう
  • 夜よく眠れず、日中眠くなる
  • 眠り過ぎてしまう
  • 頭痛がする
  • 過剰に疲れる
  • 遅刻や欠席が多くなった
  • テスト本番で体調が悪くなる
  • スマホやネット使用に依存してしまう
  • 友達や家族から距離を置く

身体症状は、周りから見て気づけることが多いでしょう。当の本人にとっては、食事・睡眠・学校生活といった、10代にとって大切な日常生活に関わることであり、これらの不調が続くと勉強に集中できず、つらい毎日を送ることでしょう。

これら精神症状や身体症状に対して本人もご家族も、受験期における「たかが悩み」だと思い込み、症状を放置しないようにしましょう。放置することで、うつ病を重症化させることにも繋がります。未成年における受験うつは、保護者や先生、本人が早く気づけることが非常に大切な病気だと言えます。

3.受験うつの原因とは

「うつ病」とは、さまざまな要因がきっかけで、強いストレスを受け続けることで、脳内の機能が正常に働かなくなることで発病すると考えられています。とくに、未成年の脳は発達途中の段階で、ストレスに弱い状態だとされており、大人よりもストレスを受けやすいと言われています。

この時期に避けては通れないのが、受験です。近年は幼稚園の頃から受験が始まっており、小学受験や中学受験、高校受験のように、子どもの受験は大学だけではありません。

子どもにとっての受験は、自分の将来を決めるかもしれない人生にとって大きな試練でしょう。また、受験は保護者や学校の先生などの周りの期待も大きく、「失敗できない」という精神的負担が重くのしかかってきます。

  • 失敗できないことへのストレス
  • 勉強自体のストレス
  • 保護者や学校の先生からのプレッシャー
  • 競争心を保つことへの疲れ
  • 受験勉強による生活リズムの変化

受験に関するこれらの負担が重なることで、受験うつを発症するリスクが高まります。

受験うつの原因となるものは、受験勉強に関係することだけではありません。他にも、10代の思春期から青年期特有の悩みも重なって発症することも考えられます。多感な時期であり、アイデンティティの確立という「自分探し」に重要な時期でもあります。

  • 友達との関係、異性との関係に対する悩み
  • 親との関わりなど家庭内での悩み
  • 自分の容姿や体型の悩み
  • 自分の将来に対する漠然とした不安

これらの悩みと受験に関する負担が合わさり、受験うつを発症することが多いと考えられています。また、子どもは大人と違い、自分の感情の変化や体調のつらさを言葉にして、うまく伝えることができない場合が多く、受験うつだと分かるまで時間がかかるケースもしばしばあります。

未成年の不安定な感情の変化は、周りの方が慎重に対応することが大切になるでしょう。

4.受験うつの3つのタイプ

受験うつには、その原因と症状によって「プレッシャー型」「モチベーション喪失型」「比較・競争型」の3つのタイプに分けられます。それぞれを発症する原因や、特徴的な症状について解説していきます。

プレッシャー型

受験生には、応援してくれる保護者や学校の先生、周りの方がたくさんいます。「頑張って欲しい」「合格して欲しい」と願うのは自由ですが、その大きな期待が時には子どもにとってストレスとなり得るのです。

プレッシャー型受験うつは、このように保護者や学校の先生などの身近な人々から、過度な期待を受けることで発症するタイプのうつです。大人のうつ病は、主に悲しみや不安などの感情が現れるのが特徴的です。しかし、思春期のうつ病は、悲しみや不安よりも次のような症状が表出します。

  • イライラする
  • 不機嫌になる
  • 敵意を抱く
  • 欲求不満
  • すぐに怒りを爆発させる
  • 衝動的

このように「怒り」に関連した感情が抑えられず、攻撃的な言動を取ってしまうのが、プレッシャー型の受験うつの特徴と言えます。

また、受験勉強という苦しい状況から離れたい、助けて欲しいという気持ちの表れから、家出をほのめかしたり塾や勉強をやめたいと言い出したりすることが多いです。

モチベーション喪失型

受験は「合格する」という目標に向かって、一生懸命頑張って勉強を続けています。その間に、模擬試験を受けて自分の力を試す機会があります。しかし、勉強したからといって好成績を出せるわけではなく、時には前回の結果よりも悪い結果になる場合もあるでしょう。

モチベーション喪失型の受験うつは、受験勉強を頑張っていても思い通りの成績が出ない、自分のやっている勉強方法が正解かどうか分からず、勉強自体がはかどらないことで発症するタイプのうつです。勉強へのやる気をなくしてしまい、受験を受ける気持ちや合格する自信もなくなってしまうのが特徴的です。

物事がうまく進まないことで、「自分には価値がない」といったアイデンティティが崩れてしまいます。この気持ちが強くなることで、周りへの批判や拒絶、自分が何か失敗するのではという強い不安感や恐怖感を抱くようになっていきます。

勉強へのやる気を失い、自分の価値が見出せない状況が続くと、次のような精神症状や身体症状が現れてきます。

  • 成績が急に下がる
  • 以前できていた勉強ができなくなる
  • さらにやる気を失い、学校を休みがちになる

そして、さらに成績が落ちていき、より勉強に対するやる気が失われていくといった負のスパイラルに陥ることが、しばしば見られます。

このように、勉強に対する「やる気」と自分に対する「価値や存在意義」が失われてしまうのが、モチベーション喪失型の受験うつの特徴と言えます。

比較・競争型

受験は、友達や同じ学校を受験する同級生たちとの比較や競争であるとも言えます。自分が頑張れば合格するのも確かですが、同じ受験生と点数を比較され、優劣をつけられるという試験でもあるのです。時には、自分より成績が悪かった友達に負けることもあるでしょう。ただし、うつ病でない受験生は、その比較や競争心によって、勉強へのモチベーションを高め、より勉強を頑張れるのです。

しかし、比較・競争型の受験うつは、同級生や他の受験生と自分を比較して、何かしらの劣等感を感じることで発症するタイプのうつです。とくに近しい友達に対して、劣等感を抱きやすくなります。「自分はどうしてこんなに出来が悪いんだ」「勉強を頑張っても合格なんて無理だ」のように、自分を卑下してしまいます。

劣等感を抱く状況が続くと、受験からくる問題から逃げるために、次のような精神症状や身体症状が現れることがあります。

  • スマホやネット使用で時間を潰す
  • 孤独を感じやすくなる

このように、うつ症状からくる問題から逃げるための方法として、スマホやゲームを頻繁に使うようになりネット依存になることがあります。その結果、ますます孤独を感じやすくなり、うつ病の症状を悪化させることにつながります。

また、大人がうつ病になると、周りの人とコミュニケーションを図ることをやめたり交流を絶ったりすることが一般的です。しかし、思春期のうつ病では友達や家族と距離を置こうとするケースもあれば、身近にいる友達数人との付き合いは続けられることが特徴的です。

このように3つのタイプの受験うつがあります。さらに受験うつは、「新型うつ」の特徴をもつ方が多いと言われています。新型うつには、勉強中にうつ症状は見られるものの、自分の好きなことに対しては楽しさを感じるといった、一般的なうつ病とは異なる特徴です。

しかし、大人のうつ病と違い、未成年のうつ病はどうしても軽視されやすいのが現実です。「やる気が出ない」「思い通りに結果が出ない」といった子どもの姿を見ると、「甘えている」「怠けている」と言ってしまう大人もいます。

子どもは大人と違い、自分の感情をうまく周りに伝えられないことが多いです。受験の悩みはみんなが思っていることだと、簡単に済ませた結果、重度のうつ症状を発症する可能性もあるのです。

5.受験うつの治療方法

受験うつは、早期に発見し対処することが大切ですが、人によって効果が出る治療方法は異なります。受験うつの治療方法には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  • 心身の休息、安静
  • 抗うつ薬による薬物治療
  • 磁気刺激治療(TMS治療)

ここでは、それぞれの治療方法を詳しくご紹介します。

心身の休息

うつ病の治療で一番大事なことは、まずは心と身体をゆっくり休めることです。しっかり休息をとることは、他の治療を受けるための基本となります。

しかし、受験生にとって休み過ぎると、勉強する時間がなくなり余計に焦ったり不安になったりする可能性があります。たまにはゆっくり好きなテレビを見ながら横になって休む、という時間をとりながら、ふだんの生活では「疲れすぎない程度に」勉強することを心がけましょう。

頭がボーっとしてきたりネガティブな感情が湧いてきたりした場合は一旦休み、無理をしないよう自分でコントロールします。

受験うつのお子さんを持つご家族の方は、「休んでていいの?」「みんなに勉強置いて行かれるよ」という声がけは避けましょう。全ての言葉がプレッシャーになってしまいます。お子さんが休みたいと思うなら、ゆっくり休ませてあげましょう。休息時は、心身の回復を一番に考えてあげることが大切です。

抗うつ薬による薬物治療

うつ病の治療に使う薬物としては、主に抗うつ薬による内服治療が選択されます。

抗うつ薬の内服は、大人のうつ病には効果的ではありますが、心身ともに成長発達途中の未成年の子どもに対しては、有効性が明確ではない上に安全性などを考えた場合、安易に選択するものではないと言われています。

子どもに抗うつ薬を処方する際は、慎重に行うことになっているのです。

仮に、抗うつ薬を使う場合は、「賦活症候群(ふかつしょうこうぐん)」という症状の出現に注意が必要です。

賦活症候群とは、アクチベーション・シンドロームとも呼ばれ、抗うつ薬の内服により次のような状態になると考えられています。

  • 不安や焦燥感が強くなる
  • 怒りっぽくなる
  • 多弁になる
  • 希死念慮が強まる
  • 衝動的な自殺行動のリスクが高まる

感情の高ぶりなどの他に、危険な行動をとる可能性があるため、24歳以下の処方では注意が必要と、薬の添付文書に記載されています。

もし、このような症状が認められて危険だと判断された場合は、まずは抗うつ薬を減量し、その原因を確認する必要があります。場合によっては、薬の種類を変更したり、抗不安薬と併用したりと、症状に合わせて治療方法を選択し直すことになります。

磁気刺激治療(TMS治療)

磁気刺激治療(TMS治療)は、うつ病の患者さんの中でも、「抗うつ薬を長時間服用しても効果がない」「副作用がつらい」「薬物療法をしたくない」という患者さんにとって画期的とされる、新しい治療方法です。

うつ病を発症させる原因となる、左側にある脳の一部分に対して電気刺激を与えて活性化させ、脳の機能を正常に戻す仕組みです。回数を重ねることで、うつ症状の改善が期待できます。

治療の回数や効果は、個人差がありますが、おおよそ30回程度と言われています。抗うつ薬と異なり、副作用症状がほとんどないのが特徴です。

TMS治療のメリットは次のとおりです。

  • 副作用が少ない(抗うつ薬などと比べて)
  • 治療期間が短い(最短2週間の通院治療で効果が出る)
  • 再発率が低い

しかし、TMS治療法にはデメリットもあります。それは次のような点です。

  • 医療機関によっては治療費が高くなる
  • 集中的に通院する必要がある
  • 医療施設や治療対象者の認定基準等が厳しく、どこでも受けられるわけではない

このように治療方法は主に3つありますが、どの治療が最も効果があるのか分からない上に個人差や副作用もあるため、慎重に選択することが大切です。

6.受験生における抗うつ薬使用のデメリット

受験うつを発症するのは、未成年であることがほとんどです。未成年に対する、抗うつ薬の治療は慎重に行うべきとされています。薬を服用すれば、すぐに治るというわけではありません。ご本人もご家族も、受験生における抗うつ薬治療のデメリットについて知っておくことが大切です。

薬の効果は個人差がある

抗うつ薬を飲めば、すぐに効果が出て症状が良くなるわけではありません。おおよそ1~2週間ほどの時間を要します。効果の出現には個人差もあり、受験勉強が再開できるような心の安定を得るまでは、多少の時間がかかることを知っておきましょう。

また、薬の効果が出て勉強にも集中できるようになってきたとしても、そこで服用を止めてしまうと、また症状が再燃することがあります。症状が良くなってきたからといって、ご自分の判断で服用中断せずに、医師からの指示に従って服用を続けましょう。

自分に合った薬を探す必要がある

抗うつ薬といっても、うつ病の型によって適したお薬の種類がいくつかあります。個人差があり、中には強い副作用が出てしまい、逆効果になる場合もあります。ご自分に一番合ったお薬がどれなのかを実感できるまで、様々な種類のお薬を試すことになります。

そのために、受験期間中であっても効果が出るお薬に出会えるまで長い期間を要したり、場合によっては適したお薬に出会えなかったりすることも考えられるでしょう。

思春期の脳への影響

抗うつ薬によって、うつ病の症状が改善できる可能性はありますが、誰にでも効果がある治療薬というわけではありません。特に、未成年(18歳未満)に対する抗うつ薬の使用には「適応を慎重に検討すること」を、厚生労働省より注意されています。

思春期の脳は、成長スピードが速く、様々なストレスを受けやすい状態だと言われています。抗うつ薬の内服が、脳にどう影響を与えるのか、未だ明らかにされていません。脳の成長段階に何らかの影響を与える可能性があるため、未成年への第一選択としては、抗うつ薬以外の方法を考えることが必要でしょう。

抗うつ薬による自殺などのリスク

思春期における抗うつ薬の内服は、自殺などのリスクが高まると言われています。それでも、内服しなければ生活に支障を来すほど症状が重い場合は、一緒に生活しているご家族が、症状の変化を見落とさないよう注意して観察する必要があります。

抗うつ薬服用中に、落ち着きがなくなったり、感情的になったりした場合は要注意でしょう。もし、今までとは違う姿が見られた場合は、すぐに主治医に相談することが大切です。

以下に、厚生労働省のホームページで掲載されている文書を一部抜粋しております。目を通してみましょう。

「これらの抗うつ薬は、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などとよばれる、新しいタイプの抗うつ薬です。小児等を対象とする臨床試験の結果、有効性が確認できなかったとの報告が製造販売業者からあったことから、医療関係者への注意喚起のため、添付文書を改訂することになりました。
 ただ、これらの薬の服用を自己判断で中止したり、量を減らしたりすると、不安・焦燥・興奮・錯乱などの精神障害や耳鳴り・電気ショックのような知覚障害などが現れることがあります。服用中の患者やその家族は、自己判断で中止せず、医師の指示に従うことが重要ですので、十分にご留意ください。」

厚生労働省ホームページ「SSRIなど抗うつ薬6種類の「使用上の注意」改訂を要請」

対象となる抗うつ薬は、次の6種類です。

成分名

主な製品

エスシタロプラムシュウ酸塩

レクサプロ

塩酸セルトラリン

ジェイゾロフト

デュロキセチン塩酸塩

サインバルタ

フルボキサミンマレイン酸塩

ルボックス、デプロメール

ミルタザピン

レメロン、リフレックス

ミルナシプラン塩酸塩

トレドミン

 

7.【受験うつの予防】受験生は自分の心と向き合って

受験生は、親からの期待や自分の将来が決まるかもしれないというプレッシャーなど、様々な方面からストレスを感じています。それは自分が思っている以上にストレスを感じ、心身の不調につながっているのです。

しかし、「周りの友達も頑張っている」「自分ばかりやる気がないなんて甘えだ」「親の期待に応えなきゃ」と、知らぬ間に自分自身を追い詰めてしまっています。それでも、自分がうつになっていることに気付けません。

そのまま無理をして頑張って、受験勉強を続けていると、受験うつになる可能性があります。

受験生は自分の心を向き合う時間を作り、ストレスを抱えてもコントロールできるように対処法を考えておきましょう。人によってストレスの感じ方、ストレスとなる原因などは違います。自分はどんなことにプレッシャーを感じるのか、何がストレスなのかを考えて、まずは原因となる元を取り除くことが重要です。その後で、自分のストレス解消法を見つけてみましょう。

ただし、心身の不調が続いている場合は、すぐに心療内科やメンタルクリニックを受診するようにしましょう。

8.【受験うつの予防】ご家族の関わり方のポイント

受験生を持つ保護者やご家族は、受験生ほどではありませんが、お子さんの将来を考えるあまり不安や心配が強くなってしまうでしょう。

保護者やご家族が、頑張って勉強している受験生に向かって、期待しているとプレッシャーを与えたり、頑張ってと応援したりすると、お子さんは大きなストレスを感じるようになります。

保護者やご家族の関わり方で、もっとも重要なことは「過度なプレッシャーを与えないこと」です。何度も「頑張って」「期待している」と言わず、お子さんのありのままを受け入れることが大切です。受験生に対しては、保護者がご家族は褒めるよりも、お子さんの話をよく聞き、悩みを打ち明けたら一緒に悩んであげるという姿勢が必要なのです。

さらにご家族は、受験生の日常生活にも目を配りましょう。とくに以下の点は、受験うつの予防や重症化を防ぐために大切なことです。

  • 睡眠時間を確認する
  • 栄養バランスの良い食事、中でも魚類は積極的に摂ってもらう
  • 食事の量はいつもと変わらないか観察する
  • お子さんの大好物を食卓に出して、反応を見る
  • 食事中の会話は、勉強や受験以外の話をする
  • 不満が多い、ネガティブな発言ばかりになっていないか観察する

お子さんに過度のプレッシャーを与えずに、生活リズムを崩さないで受験勉強ができるよう、受験生をもつご家族は配慮することが大切だと言えます。

なかなか気づきにくい受験うつは、早期に発見し治療を行うことが重要です。もし、お子さんに普段の様子と違う言動が見られた場合は、お子さんの様子をしっかり観察し、心療内科やメンタルクリニックのような専門医に相談してみましょう。