- ADHD/ASD 編-

ADHD/ASD

2024-12-20
監修:前田雅春

ADHD/ASD とは

ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)は、脳の発達に関する特徴が日常生活に影響を与える状態です。症状は人によって異なりますが、適切なサポートや治療を受けることで、より良い生活を送ることができます。本記事では、専門的な知識がない方でもわかるよう、これらの症状を丁寧に解説します。

ADHD/ASDについて知る前に

ADHDやASDは、「個性」と捉えられる一面がある一方、適切な支援がなければ生活に困難を生じさせる可能性があります。これらの症状を理解することが、本人や周囲の人にとって非常に大切です。

ADHDとASDに共通するのは以下のような点です:

  • 周囲との違いに対する悩みを抱えやすい
  • 学校や仕事での不適応が目立つ場合がある
  • 一見するとわかりにくい症状もある

本記事では、これらの基本的な特性を分かりやすく解説するとともに、医療機関の活用方法についても触れます。

ADHD/ASDとは?その基本的な特徴

ADHDの概要

ADHDは、以下のような3つの主要な特徴を持つ状態です。

  1. 注意欠陥
    集中力を維持することが難しく、細かな指示を忘れてしまう傾向があります。たとえば、職場や学校での指示を聞き逃してしまい、結果的にミスが増えることがあります。
  2. 多動性
    じっとしていることが苦手で、落ち着いて行動するのが難しいです。例えば、会議中に何度も席を立つ、話の最中に貧乏ゆすりをするなどの行動が見られます。
  3. 衝動性
    思いつきで行動してしまうため、トラブルになることもあります。他人の話をさえぎる、無意識に大声を出す、といったことが典型的な例です。

これらの症状が学校や職場で目立つ場合、本人も周囲もストレスを感じやすくなります。

ASDの概要

ASD(自閉スペクトラム症)は以下のような特徴を持つ状態です。

  1. コミュニケーションの難しさ
    会話がスムーズに進まず、他人との意思疎通が難しいことがあります。特に比喩表現や冗談の意味を理解しにくい場合があり、誤解を招くことがあります。
  2. 特定の興味や行動パターン
    興味の対象が非常に狭い場合があり、それ以外にはほとんど関心を示さないことがあります。例えば、電車や特定のキャラクターなどに強い興味を示し、それ以外の話題には反応が薄いことがあります。
  3. 感覚過敏
    音や光に過敏に反応することがあり、大きな音やまぶしい光が苦手な場合があります。これにより、人混みやパーティーといった環境を避ける傾向があります。

ポイント:ASDは「スペクトラム」という連続体の特性を持つため、人によって症状の出方が異なります。一見するとわかりにくい場合もあるため、注意深い観察が必要です。

ADHDの主な症状

注意欠陥

  • 仕事や宿題を忘れやすい。
  • 作業の段取りが苦手。
  • 興味のない作業に集中できない。

多動性

  • 会議中や授業中に落ち着きがない。
  • ソファに座っていても足を動かし続ける。
  • 子どもの場合、教室で席を離れる行動が目立つ。

衝動性

  • 順番を守ることが苦手。
  • 買い物で予定外のものを購入してしまう。
  • 考える前に行動してしまい、トラブルになる。

ASDの主な症状

コミュニケーションの難しさ

  • 視線を合わせるのが苦手。
  • 社会的なルールや慣習を理解しにくい。
  • 話し方が単調である場合が多い。

特定の興味や行動

  • 例えば、電車や地図などに没頭し、他の話題に興味を示さない。
  • 毎日のスケジュールやルーチンに強く固執する。

感覚過敏

  • ショッピングモールの雑音や、蛍光灯の明るさに苦しむ場合がある。
  • 食事の際に特定の食感や匂いを嫌がる。

詳細な医学情報については こちら

ADHDとASDの重複と共通点

ADHDとASDが併存している場合、次のような行動が見られることがあります:

  • 過集中:特定の分野に極端に集中し、他のことを忘れる。
  • コミュニケーション障害と衝動性が組み合わさり、トラブルになりやすい。

また、ADHD的な多動性とASD的な感覚過敏が重なることで、職場や学校での適応がさらに困難になる場合があります。

サポートのヒント:

  • タスク管理ツールを使う。
  • 感覚的な負担を減らす環境を整える。

自分や家族が気になるときの対応方法

専門医への相談

ADHDやASDが疑われる場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。診断を受けることで、適切な治療方針を立てることが可能になります。当クリニックでは予約を受け付けています。

簡易診断を試す

いきなり受診するのに不安がある方は、オンラインの簡易診断を利用するのも手です。自分の状態を知る手がかりになります。

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まとめ

ADHDとASDは、それぞれ異なる特性を持つ状態ですが、理解を深めることでより良い生活を送るサポートができます。家族や周囲が理解を深めることが、本人にとって非常に大切です。

  • 日常生活でのサポートが症状を和らげる助けになります。
  • 専門医による診断と治療を受けることで、適切な支援を得ることが可能です。