認知行動療法26

統合失調症/Schizophrenia

リラクゼーション(呼吸法・筋弛緩法)

 心と体の緊張を和らげるテクニックとして、リラクゼーション法があります。代表的なリラクゼーション法には「呼吸法」と「筋弛緩法」があり、これを実践することによって、①「体をリラックス状態にさせ、心が感じている不安を緩和させることができる」、②「不安になっても、あわてないで対処できるようになる」、③「長期間続けることによって、不安を減らす効果が期待できる」などのメリットがあります。社交不安障害の人が、強い不安を感じると、体は本人の意思に反して過剰に反応し、筋肉が緊張して、呼吸が浅く、速くなります。こうした体の変化は、交感神経の働きが活発になるためで、この神経の興奮を抑制するのが、リラクゼーション法なのです。  ここに示すテクニックは、いずれも身体面に起こる反応を意識的にコントロールすることで、緊張感を和らげる方法です。不安を感じたときだけでなく、普段からゆったりした呼吸を心がけ、筋肉の緊張を解きほぐす訓練を重ねることは、過剰な反応の抑制に有効と思われます。

呼吸法

 緊張すると、知らず知らずのうちに、呼吸が浅く、速くなります。そして、過呼吸の状態におちいると、めまいや息苦しさ、筋肉の硬直などの症状が起こります。浅く速くなった呼吸を、深くゆっくりした呼吸に変えると、動悸などの身体症状が改善され、体の緊張がほぐれてきます。呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸の二つがありますが、深くゆっくりした呼吸をするには、腹式呼吸が最適です。

《腹式呼吸のやり方》
  • ① 自然に背筋を伸ばした姿勢で椅子に座り、肩の力を抜きます。
  • ② 下腹のヘソのあたりをへこませ、お腹の中の空気を全部だし切るようなつもりで、ゆっくりと息を吐きます。このとき、心の中で5~7ぐらい数を数えるようにします。
  • ③ 吸うときは、お腹をふくらませながら、吐くときと同じように、心の中で5~7ぐらい数を数えるようにします。
筋弛緩法

 不安なときは、全身のいろいろな筋肉に力が入っています。それに気づき、筋肉をゆるめてあげることで、心の緊張が和らいでいきます。筋弛緩法を繰り返して行うと、自分の体がリラックスした状態を、自分で感じることができるようになります。

《筋弛緩法の基本的なやり方》
  • ① 一度、筋肉に力を入れて、その後、瞬間的に力を抜き、筋肉がゆるんだ感覚を味わう。
  • ② 力を入れるときは息を吸い、抜くときは息を吐きます。息は止めないようにする。
  • ③ 気持ちがいいと感じる程度に、数回ずつ行う。
【肩の筋肉を解きほぐす】
 両肩を耳につけるようにして、ギュッと引き上げ、緊張させます。その後、一気に肩の力を抜き、ストンと肩を落とします。

【足先の筋肉を解きほぐす】
 仰向けになるか、床に座るかして膝を伸ばし、かかとを突き出して、足先は手前にギュッと曲げます。その後、パッと力を抜き、足先をだらりとさせて自然にまかせます。

【腕・指の筋肉を解きほぐす】
 握りこぶしをつくって、握りこぶしが上にくるように垂直に立てて肘を曲げ、腕で脇腹をギュッと締めるようにして力をいれます。その後、腕と指の力を一気に抜き、ダランと下方に落とします。

【指の筋肉を解きほぐす】
 息を吸いながら、両手の手のひらを上に向け、力いっぱい5本の指に力を入れながら手のひらを広げます。その後、息を吐きながらフワッと指の力を抜きます。手のひらから腕までの力が抜けます。

【あごの筋肉を解きほぐす】
 上あごはそのままの位置にして、下あごだけを下方におろし、軽く数回ほど上下運動させます。その後、下あごだけを軽く数回、左右にずらすように動かします。







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