認知行動療法17

統合失調症/Schizophrenia

プログラムの実施方法

 集団認知行動療法の基本的な実施方法は、以下の通りです。ただし、グループの目的に合わせてプログラムは工夫できます。

①参加対象

 参加条件は、グループの目的に応じて定めます。

  • (1)目的(職場復帰を目指すうつ病休職者、家族との関係上でストレスをかかえている女性など)
  • (2)診断や症状
  • (3)年齢
  • (4)症状が安定して、基本的に全セッションへの参加が可能であること
  • (5)主治医がグループへの参加を許可していること
②時間・回数

 セッションの時間や回数は、グループの目的や治療形態によって異なりますが、一般には週1回、60分間のセッションを3カ月(約12回のセッション)ぐらい続けて実施しています。週1回、90分間のセッションを8~9回で構成しているグループもありますので、目的に合わせて回数や時間は設定するとよいでしょう。

③場所

 参加人数を考慮し、集団療法ができる広さの場所を用意します。机と椅子の他に、内容を記録するための白板(または黒板)も用意しておくと便利です。机の配置は、人数によっても変わりますが、ロの字やコの字型が適当かと思います。

④スタッフ

 グループの目的によって構成人数も変わりますが、一般に医師・心理士・看護師・精神保健福祉士などがスタフとして加わると良いでしょう。

⑤教材

 プログラムに合わせて、テキストやワークシートを作成し、使用します。

⑥費用

 実施形態(通院集団精神療法、デイケア、自費診療など)によって参加費用は異なります。

⑦各セッションの流れ

 各セッションの開始から終了までの基本的な流れは、導入(目標と内容確認が約7~10分)、講義(テキストを用いた学習が20~30分)、個人ワーク(15~20分)、グループワーク(15~25分)、まとめ(5分ぐらい)の内容で進めていきます。

⑧プログラムの構成

 グループの目的に合わせて、プログラムを組みます。

  • ◇ プレセッション:グループの目的、構造、内容などの説明。
  • ◇ 認知面へのアプローチ:うつの思考パターンの解説、状況・気分・自動思考の関連についての説明。自動思考記録表の説明および作成など。
  • ◇ 行動面へのアプローチ:問題解決策リスト、アクションプランの説明および作成など。
  • ◇ コミュニケーション面へのアプローチ:コミュニケーションのチェック。アサーショントレーニング、ロールプレイングなど。

『パニック障害』の認知行動療法

誤った学習の是正

 パニック障害の患者さんには、特有の認知的特徴が認められます。一般の人には普通に生じている出来事でも、パニック障害の患者さんにとってみると、それは自分を死に至らしめる「危険で最悪の事態である」と受け止めます。よくある例として、電車に乗っているときにパニック発作が起きると、「電車に乗ると必ずパニック発作が起きる」と学習し、本来は関係ない二つの事柄を関連づけてしまいます。その結果、電車に乗るとまた発作が起きるのではないかという予期不安が生じ、電車に乗るのを避けるという広場恐怖へと発展していきます。また、パニック発作を繰り返す中で、実際には問題はないのに危険だなと、誤って学習することもあります。  こうした誤った学習の結果、「また起きるかもしれない」と考えただけで、心臓がドキドキしたり、呼吸がいつもより速くなったりすると、「自分は、このまま死んでしまうかもしれない」と、悪い方にばかり考えてしまいます。さらに、薬を飲んでも効かないと「一生治らないのでは」と極端に考えたり、根拠もないのに物事を断定したり、ささいな出来事を深刻にとらえるようになります。この誤った学習が、ある身体的感覚を破局的に受け止め、さらに、パニック発作が起きるかもしれないという可能性に対する知覚が不安感を生じさせ、その不安そのものが危険であるという信念となって、回避行動を起こすというメカニズムが分かっています。その結果、エクスポージャー(暴露療法)によって不安を消去し、適切な接近行動がとれるようにすると同時に、患者さんの認知の修正をねらうことができる認知行動療法が、パニック障害の治療法として用いられるようになりました。






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