慢性うつ病(持続性抑うつ障害・気分変調症)

持続性うつ病性障害

持続性うつ病性障害

うつ病は、早期発見・早期治療を行えば、本来、完全治癒する可能性が非常に高い疾患です。
早期に発見され、軽症うつ病の段階で、早期に適切な治療を行えば、治療開始後3ヶ月で50%、6ヶ月で80%の方が完全に治癒します。 しかし、治癒した段階(症状がなくなった状態)で早急に投薬を中止すると、非常に高い確率で再発を起こし、徐々に中等度・重度のうつ病へと悪化していきます。 治療に2年間以上かかっている場合や、薬の内服をすぐに止めてその結果再発を繰り返している場合は、持続性うつ病性障害の疑いがあります。通常の日常活動への関心や希望、生産性を失い、自尊心が低くなり、全体的に不満を感じる場合があります。これらの感情は何年も続き、あなたの関係、学校、仕事、日々の活動を著しく妨げる可能性があります。

持続性うつ病性障害の症状は通常、数年にわたって発生および消失し、その強度は時間とともに変化します。しかし、通常、症状は一度に2か月以上消えることはありません。さらに、持続的なうつ病性障害の前または最中に大うつ病エピソードが発生する場合があります。これは二重うつ病と呼ばれることもあります。

持続性うつ病性障害の症状
※日常活動への関心の喪失
※悲しみ、虚しさ、気分が悪い
※絶望
※疲れとエネルギー不足
※低い自尊心、自己批判または無能感
※集中の問題と意思決定の問題
※過敏性または過度の怒り
※アクティビティ、有効性、生産性の低下
※社会活動の回避
※罪悪感と過去に対する心配
※食欲不振または過食
※睡眠障害

 持続性うつ病性障害は慢性的であるため、うつ病の症状に対処するのは難しい場合がありますが、この状態の治療には心理療法と薬物療法の組み合わせが効果的です。

持続性うつ病性障害や再発を繰り返す場合は投薬も、通常のSSRISNRI三環系抗うつ薬四環系抗うつ薬などの抗うつ薬や抗不安薬睡眠導入薬のみの投与では十分な薬理作用や治療効果を上げることができず、気分安定薬(リーマス)による強化療法の併用や、SSRI作用及び5HT1A/1Bアゴニスト、5HT1D/3/7アンタゴニスト作用を持つボルチオキセチン(トリンテリックス)、NaSSA(レメロン・リフレックス)などの新薬の併用、またクロナゼパム(リボトリール・ランドセン)二環系抗うつ薬(レスリン・デジレル)、DSS(ドーパミンスタビライザー、アリピプラゾール、エビリファイ)などの内服が必要であるケースが増えています。
また、薬の内服や、完全な休養以外にも、認知行動療法人間関係療法などの心理療法や、アサーショントレーニング・リラクセーション療法などの代替療法も併用しなければ、やはり高い確率で再発を起こしてしまいます。 うつ病は、一度再発を起こしてしまうと、2度目の再発は50%、3度目の再発は70%、4度目の再発は90%、と非常に高い確率で再発を繰り返します。
現在、問題とされているのは、治療効果が十分ではないのに、漫然と一般的な抗うつ薬を投与され、初発症状(最初にうつ病にかかったときに現れていた非常に辛い症状)ほど強い症状ではないが、軽度~中等度のうつ症状が1年以上持続している、いわゆる持続性うつ病性障害(難治性うつ病・治療抵抗性うつ病)の方が急増していることです。

うつ病は自殺の危険性があります

最近の10年間では、日本人の自殺者は年間2万1000人~2万3000人で、人口に占める自殺者の割合は0.02%と、先進国の中では悪い記録となっています。
しかし、うつ病などの気分障害の患者さんでは自殺率は45-77%という高い確率となります。
毎年2万人を超える方が自殺により亡くなっていますが、そのうちの約6割の方はうつ病であったとされ、その6割の方のうち5割~6割の方が、心療内科や精神科で適切な治療を受けていなかったとされています。
うつ病は早期発見・早期治療を行えば本来治癒する可能性の高い疾患ですから、少しでもおかしいなと感じたら、すぐにお近くの心療内科や精神科を受診することが非常に重要です。