各疾患について

統合失調症 (旧称:精神分裂病)について-No.1

統合失調症

統合失調症・精神分裂病・Schizophrenia はじめに 発症しやすい年代  統合失調症は、現在ではおよそ100人に1人がかかる頻度の高い病気です。発症する年代は、主に10歳代後半の思春期から青年期の30歳代にかけて多い病気で、ピークは10歳代後半から20歳代にかけて最も多く発症しています。中学生以下や40歳以降の発病は稀です。発症の頻度にそれほど男女差はありませんが、発症年齢では…

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統合失調症 (旧称:精神分裂病)について-No.2

統合失調症

病名変更の背景  統合失調症という病気は、以前は「精神分裂病」または「分裂病」と呼ばれていた病気のことで、2002年8月に「統合失調症」という病名に変更されました。この病気は、英語でSchizophrenia(スキゾフレニア)といい、「物事の考えをつなげる働きが障害されている」という意味の言葉であって、「精神が分裂している」という強い内容を含んだ言葉ではなく、したがって「精神分裂病」という名称はほ…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.1

統合失調症

疾患の詳細 統合失調症の歴史的経緯  疾患の詳細を述べる前に、現在の統合失調症という病名になるまでの、およその歴史的経緯を見ておきます。精神病に対する昔の人々は、多くは普通の人とは様子が違って見えたため、恐れや奇異な感じを抱いており、また捕らえられたり隔離されたりした人もいました。19世紀末、ドイツの精神医学者であるエミール・クレペリンが、精神病をその症状と経過から分類しようとしました。そして、妄…

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認知行動療法31

認知行動療法

第2段階の治療  第2段階の治療目標は、認知の修正が中心になります。治療は、週1回で8週間にわたって実施するのが一般的な基本ですが、1~2週に1回、2~6カ月かけて実施するケースもあり、患者さんの状況や治療者の判断で、アレンジすることは可能です。 【第2段階の治療目標】 1. 規則正しい食生活の維持。 2. 摂食制限の減少。 3. 過食が起きそうな状況の把握と、そのような状況の減少と対…

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認知行動療法32

認知行動療法

第3段階の治療  第3段階の治療目標は、これまでの治療によって得られた改善の維持と、将来再発する可能性に対処するための準備をします。2週間に1回、6週間にわたって実施されます。 17~19回目の面接  改善の維持のために、患者さんはこれまでの治療で学んだ技能を繰り返し使うようにします。規則正しい食生活習慣を継続しながら、過食や嘔吐をしない状態を持続します。また、問題解決法や認知再構成法…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.2

統合失調症

統合失調症の3つのステージ  統合失調症は、時間の経過とともに症状が変化していくのが特徴的です。病気は大きく分けると、「急性期」「消耗期」「回復期」の3つステージを経ていきます。急性期は、精神的な興奮が激しく、幻聴・幻覚・妄想などの症状が現れる時期です。患者さんを周囲で見ていると、その症状の特殊さや現れ方に驚くほどです。けれども、それは最初のうちだけでやがて精神的に落ち込み、身体的な活動性もグッと…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.3

統合失調症

症状の背景にあるもの  患者さんはなぜそのような妄想を抱くのか、それはどのような気持の動きによるものか、その背景を知ることは、患者さんの気持に寄り添ううえで重要なことです。たとえば、自分の家の向い側に見慣れない車が停まっていたとします。普通の人であれば、向いの家の知人が遊びに来たのかもしれない、近所に用事があって誰かが来たのかもしれない、と自分の経験や社会的な常識で考えて推測します。ところが、統合…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.4

統合失調症

統合失調症・精神分裂病・Schizophrenia ②「消耗期」の症状と対応 子どもっぽくなり、よく眠る  急性期に、心と体のエネルギーを使い果たし、興奮が鎮まってくると極端に活動性が低下してきて、今度は足りなくなったエネルギーをためるための消耗期に移行します。消耗期になると、患者さんはぼんやりしてよく眠るようになります。これは、急性期の激しい症状がおさまるにつれて、エネルギーが失われ…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.5

統合失調症

無理をさせたり励ましたりしない  消耗期に入って、少し落ち着いてくると、周囲の人は無理をさせたり励ましたりしがちになります。「頑張ればできる」「気の持ちようだね」「前はあんなに元気だったのに…」と声をかけたくなりますが、しかし、しばしば励ましに応えられず、失敗して大きな自信喪失につながることがあります。毎日変化がなく、元気がないように見えても、本人の中では少しずつエネルギーが溜ってきています。周囲…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.6

統合失調症

統合失調症の病型  統合失調症の病気の現れ方は、人によってさまざまです。10人の患者さんがいれば、10人ともそれぞれ病気の現れ方が違うのが特徴的です。これが、同じ精神疾患である「うつ病」の場合は、10人いれば10人ともほぼ同じ症状・経過・転帰(病気が経過してほかの状態になること)をたどりますので、この違いからみても、統合失調症の診断や治療の難しさがここにあります。また、1人の患者さんに、すべての症…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.7

統合失調症

統合失調症はどのような経過をたどるか  統合失調症の経過は、人によってさまざまですが、だいたいのところは図に示したような時間経過をたどっていることがわかっています。図に示された横の軸は時間の経過を示し、縦軸は中央に正常ポイントがあって、そこから上方を陽性症状、下方を陰性症状の度合いを示しています。横軸の時間の経過ですが、初期においては数週間から数カ月という単位で経過しますが、右にいくほど(時間が経…

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統合失調症 疾患の詳細について-No.8

統合失調症

統合失調症と脳 脳の中で何が起こっているのか   統合失調症の症状が現れたとき、脳の中では何が起こっているのでしょうか。これまでの研究から分かっていることは、脳内の神経伝達物質であるドーパミンがたくさん生成されて、それを受け取るドーパミン受容体の働きが過度になると、中脳辺縁系に過剰な興奮が起こり、幻覚や妄想などの陽性症状が生じます。一方、大脳の前頭前皮質のドーパミンの放出が少なくなると、機能が低下…

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